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記事2011年2月3日 2194号 (1面) 
専門免許状はどう機能?
特別部会審議経過報告への疑問の声も
初等中等教育分科会教員養成部会
中央教育審議会初等中等教育分科会教員養成部会(梶田叡一部会長)は一月二十八日、都内のホテルで第六十一回会合を開き、総会の下に昨年新設された「教員の資質能力向上特別部会」の審議経過報告案(平成二十二年十二月二十七日時点での報告案)を検討したが、複数の委員から辛口の意見が聞かれた。
 特別部会の審議経過報告案は、教員養成の修士レベル化を打ち出したのが特徴で、学部修了者は基礎資格取得にとどまること、大学等における教員養成課程認定審査等の厳格化・新たな事後評価システムの構築等を提言するなど教員の資質能力向上の取り組みの一方で、学士の教職課程を修了していない社会人等に向け修士レベルの資格取得の道を開くことを提言している。そうした方向性について委員からは、「教員全員を修士化するのか。民主党のばらまきと同じ。足を引っ張る、後ろ向きの教員に厳しくしないといけない」「教員養成の修士化と(学部段階で教職課程を修了していない)社会人等への修士レベルの資格取得の整合性をどう付けるのか」「(新設検討を提言した)生徒指導など領域ごとの専門免許状は、学校内でどう機能するのか」「教員に関してどのような質を確保したいのか見えにくい」といった意見が聞かれた。梶田部会長も、世の中の人気取りに流れて思いつきで教員養成の根本を揺るがすことがないよう強く要請した。さらに委員からは初任者研修の発展的解消検討に疑問の声が上がり、大学関係者からは教員養成部会が初等中等教育分科会内に置かれ、大学分科会ではほとんど審議がされないことの改善を求める意見も出された。
 このほか、文部科学省が国立大学の負担が大きいことなどを理由に廃止の方向性を打ち出していた「小学校教員資格認定試験」に関して同省は、政府の事業仕分けで存続を求める意見が多く聞かれたことなどから、当分の間、継続実施していく考えを明らかにした。
 また昨年十月に文部科学大臣から諮問のあった教員の免許状授与の所要資格を得させるための大学等の課程認定の審査結果が、この日、同部会から同省に答申された。
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