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記事2011年2月23日 2196号 (5面) 
新校長インタビュー(223)
国際基督教大学高等学校
校長 中村 一郎氏
多様性受け入れ異文化の壁乗り越える
帰国生と国内生の長所生かす

 国際基督教大学高等学校(中村一郎校長、東京都小金井市)は一九七八年四月に創立。以来三十三年間、百カ国以上の国から約五千五百人の帰国生を受け入れてきた。三学年合わせた生徒定員数七百二十人。うち、三分の二が帰国生、三分の一が国内生だ。この方針は現在まで一貫して変わらない。
 「学校設立時の目標は、帰国生と国内生の長所を生かすこと、多様な生徒が共に学び理解を深める教育環境を築くことでした。生徒たち、教師たちが、この目標に実質を与えてきている。学校の日々の営みの中でこのことを痛感する」と、中村校長。
 この原点に常に立ち返りつつ、学校の現在の教育を検証し、継承、発展させていく。困難ではあるが、意義は限りなく大きい、とも。
 「神と人とに奉仕する人材を育成するという建学の根本理念。とびっきり生き生きした生徒たち、生徒に寄り添う優れた教師集団。これだけのものに恵まれている、可能性は本当に豊かです。」
 「子ども時代にいきなり言葉もまったく通じない異文化の中に投げ込まれる。それぞれが、苦労してきている。また、日本に帰国後の困難は、さらに大きいというケースも少なくありません。」
 「帰国生も、国内生も
この学校でそれぞれの大きな違いに衝撃を受ける。考え方、価値観が違っていることを認め、他者の存在を受け入れている。そこから、自分らしさを発見し、自己を肯定しているのです」と、中村校長は異文化の壁を乗り越えて生き抜いている生徒たちを評価する。
 同校は異なるバックグラウンドを持つ生徒の特性を生かすため、少人数クラスで密度の濃い授業を行っていることも特長だ。英語、数学、国語は、入学前に行うクラス分け試験の結果に基づいて、学年を四つのレベルに分け、一クラス二十五人前後で行っている。約四十名のホームルーム単位での授業はごく限られている。
 「学校が楽しい」と口々に語る現役生徒。「卒業生同士が本当に仲がいい」と、どの期からも出てくる証言。このような学校に連なる者の責任は重い。
 学年二百四十人のうち三分の一の八十人が同一法人が運営する国際基督教大学教養学部に推薦で入学する。
 同大で日本語教育を担当。昨年四月に校長に就任。出身は島根県松江市、十歳以後東京育ち。
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