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記事2011年12月3日 2223号 (3面) 
新校長インタビュー(240)
昭和女子大学附属昭和中学校・昭和高等学校
校長 大泉 章子氏
全人教育で社会に貢献できる女性輩出 グローバルな総合力を育成

 昭和女子大学附属昭和中学校・昭和高等学校(東京都世田谷区)の大泉章子校長は「昨年度、創立九十周年を迎え、次の百周年に向けて第一歩となる今年度は、不易な部分である全人教育〈昭和スタイル〉を心柱にして、心映えが美しく人格と能力を兼ね備え、社会に貢献できる女性を輩出することを目指します」と切り出した。この〈昭和スタイル〉とは「世の光となろう」という建学の精神の下で、「清き気品」「篤き至誠」「高き識見」を身に付けることを表している。同校は、培う力として四つを挙げ、グローバルな総合力へと融合させることを方針としている。
 培う力の一つ目は、「世の光」を目指す上で必要な人格的に高い力量だ。一年から六年までの各クラスから一〜二名ずつで編成する、縦割りの朋友班活動では、上級生がリーダーとなり、毎日の清掃や親睦を通して人間関係力を強める。学寮研修では、研修施設の東明学林(神奈川県)と望秀海浜学寮(千葉県)で、学年ごとに四泊五日の共同生活をしながら学習と労作を行う。感謝音楽祭にはお世話になった方々を招待し、感謝の気持ちを歌や言葉で表している。また、中学三年後期からの定期試験では、監督教員なしで行う「理想試験」を実施している。
 培う力の二番目は、学んだことを活用する知恵と表現力だ。独自に年間十回ずつ行う漢字検定や英語の語(ご)彙(い)と構文の試験、三分間スピーチ(感話)がある。また各自のテーマに沿って探究から発表まで一年間かけて行う「私の研究」、全校テーマの下、クラス単位で進める共同研究「昭和祭研究」にも取り組む。まさに基礎学力の定着から発展的な学びまで、幅広い学習の場が整っている。
 培う力の三番目は、グローバルに自ら発信・交流・行動する力だ。毎週金曜日は朝礼も英語で行い、中学二年は全員、十二日間、アメリカ・ボストンのキャンパス、昭和ボストンでの英語研修「The Boston  Mission」に参加する。高校生の希望者対象には、英国短期留学を行い、一層の語学力と国際感覚を磨く機会としている。
 そして、培う力の四番目は、自分が希望する進路を切り拓(ひら)く力だ。同校ならではの、一年早く昭和女子大学で学び始める「五修生制度」がある。高校三年では昭和女子大学の推薦を確保したまま他大学受験という選択もできる。
 「私自身が学ぶ力、コミュニケーション力、協働力、リーダーシップを昭和学園で身に付けました。大学や社会に出て花開く可能性の種となる多角的な体験学習が役に立ちます」と大泉校長。
 都の教員として二十二年間、教頭、校長として十六年間勤めた後、母校の副校長を経て校長に。日本文学が専門。


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