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記事2011年12月3日 2223号 (2面) 
中央教育審議会の審議動向
博士論文研究基礎力審査」検討
修士課程のみは適用外の見通し
大学分科会大学院部会
 中央教育審議会大学分科会の大学院部会は十一月二十四日、都内で会議を開き、博士課程前期の修了要件として修士論文に代わる「博士論文研究基礎力審査」を新たに導入することについて審議した。今後、大学院設置基準等の改正に向けた審議を進め、早ければ、来春の施行を目指す。
 文部科学省から示された案では、「博士論文研究基礎力審査」は@専攻分野および幅広い関連分野の専門的知識および能力に関する筆記試験とA博士論文研究を行う分野において課題を設定し研究を推進する能力等を研究報告や口頭試問で評価する方法の二段階審査で行うのが適当としている。
 現在、区分制博士課程の前期課程は、修士論文または特定課題の研究成果の審査に合格することを修了要件としている。しかし、修士論文等を課すことで、早い段階で専攻分野が絞り込まれたり、細分化した狭い範囲の研究に陥ったりする傾向も指摘されている。
 そこで、修了要件として、必ずしも修士論文等を課さず、これに代えて「博士論文研究基礎力審査」に合格することによって、博士後期課程への入学資格とすることも可能にする。これによって、教育プログラムとしての自由度を高め、前期・後期一貫したプログラムの構築につなげたい意向だ。
 一貫した博士課程教育の確立に主眼があることから、修士課程のみの場合には適用されない見通し。
 一方、博士論文研究基礎力審査が、各大学院の博士後期課程の選抜方法として用いられる可能性も示唆されている点については「必ずしも同じ大学の博士後期課程に進むとは限らず、学生の流動性を妨げることにならないか」「社会人が博士後期課程に進もうとする場合に阻害要因にならないか」などと懸念する意見も聞かれた。
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