こちらから紙面PDFをご覧いただけます。



全私学新聞

TOP >> バックナンバー一覧 >> 2011年11月23日号二ュース >> VIEW

記事2011年11月23日 2223号 (1面) 
国公立と同等の耐震化支援を
中高連・日私小連・日私学保連 私学振興全国大会を開催
中川文科相も出席 将来担う子供たちへの支援大人世代の責務
与野党議員に要請
 日本私立中学高等学校連合会(吉田晋会長)、日本私立小学校連合会(清水良一会長)、日本私立小学校中学校高等学校保護者会連合会(新延克己会長)は、十二月二日、都内の日比谷公会堂で私学振興全国大会を開催した。私学関係者や保護者ら約二千人が出席、来賓の与野党国会議員に私学関係予算の拡充、私立学校に対する国公立と同等の耐震化補助の実現等を要請した。

 主催者を代表して挨拶に立った吉田会長は、「子どもたちの学ぶ環境を等しく整備すること、単に行政上の所管や設置者の違いといった、杓子定規で堅苦しい考え方に捉われることなく、将来、社会を担う子供たちを支援することが大人世代の責務であり、国の責任であることを思い起こしてほしい。国の耐震化補助の補助率が二分の一、三分の一のため私立学校の耐震化が停滞している」と語り、公立と同等の補助実現等を要請した。
 また新延会長は、私立学校の耐震化・防災対策についての国公立と同水準の支援実現に加え、私立学校が充実した教育を提供できるよう学校運営に対する私学助成の拡充等を要請、就学支援金に関しては公私立高校間で格差が広がり、上乗せ額の違いから都道府県間で保護者の負担する教育費に新たに格差が生じていることなどを訴えた。
 この後、中高連の近藤彰郎副会長が「要請」を行ったが、「初めに、私立学校は日本の教育の一端をきちんと守っていくことをお誓いしたい」とした上で、「私立学校振興助成法、教育基本法の精神に則って私学教育を育て上げてほしい。また私立学校の自主性についても、きちんと守られる環境を作り出してほしい」と要請した。この後、「保護者の願い」が読み上げられ、与野党国会議員に手渡された。
 こうした私学関係者らの声に中川正春・文部科学大臣は、「私立学校の先進的な教育に敬意・賛辞を表したい。何とか様々な形で後援をさせて頂きたい」と語り、引き続き私学振興に努める考えを表明。また民主党の鈴木寛・政策調査会文部科学部門会議座長は、「吉田会長、近藤副会長のご指摘は誠にごもっとも。重く受け止め、議論をしていきたい。我が国は人材こそ命。私立小・中・高校においてそれぞれ子供の特徴にあった多様で独自で自主性に富んだ教育が守られ、更なる振興にきちんと予算を確保したい」と語った。
 一方、自由民主党の茂木敏充・政務調査会長は、「私立学校の災害復旧を進めることが極めて重要として、公立並みに助成率を嵩上げし、助成する法案を議員立法で提案している。与党には一日も早い成立をお願いしたい」などと語った。その後、私学助成の拡充強化等を求めた決議が採択され、与野党国会議員の代表に手渡された。最後に日私小連の清水会長の閉会の辞で大会を締め括った。

記事の著作権はすべて一般社団法人全私学新聞に帰属します。
無断での記事の転載、転用を禁じます。
一般社団法人全私学新聞 〒102-0074 東京都千代田区九段南 2-4-9 第三早川屋ビル4階/TEL 03-3265-7551
Copyright(C) 一般社団法人全私学新聞