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記事2011年1月23日 2193号 (7面) 
新校長インタビュー(221)
東京女子学院中学・高等学校校長 金井 康氏
目に見えない大切なもの育てる
「酒井A芙蓉基金」を設立
 東京女子学院(酒井利幸理事長、東京都練馬区)の中学・高等学校に金井康校長がこのほど就任した。酒井A前理事長・校長が昨年十月三十日に永眠されたことに伴い、「後任として校長を務めることになりましたが、本学院の建学理念を尊重し、積み上げられてきた特有の宝を継承し、学校運営に当たってまいります。気品ある女性を育て社会に送り出すことを念頭に、生徒の感性を研ぎ知性を磨き、社会が求める『目に見えない大切なものを育てる』教育を推進します」と語る。
 「本校にとって『目に見えない大切なもの』の基礎にあるのは、『礼法』『華道』『弦楽器』『第二外国語』『全校清掃』です。これらを通して、日々の学校生活の中で『感性』と『知性』をバランスよく育み、教養を培ってきました」と話し、さらに、「机上の学力だけではなく、プラスαが要求される時代です。偏差値には、環境や人間形成の力は反映されません。教養の深さや人格も計測できません。本校は、世の中に出てから気付く教養と情緒・情躁の大切さを常に考えてきた学校です」と続ける。
 同校では、全生徒が大学進学を目指して学ぶが、金井校長は、まず在籍している生徒を大切に育てあげ、個々の目標を達成させる教育を考えている。
 「本校では、外から見ると良いところがたくさんあるのに、それが当たり前になっていて、内部ではその価値が意識されない面があります。この美点を生徒や教職員が誇りとして、長所をさらに伸ばし発信していきたいと思っています」
 また、新しい試みとして、二十三年度から故酒井先生の教育方針に賛同された有志の寄付などによる「酒井A芙蓉基金」を設立した。その中には、@中学入学後に家計急変により授業料納入が困難となった場合に備える「貸与奨学金」、A入学後の学力伸長が顕著である高校生を対象に、旺盛な向上心と進学意欲に期待して給付する「給付奨励金」などが含まれている。入試段階で決まる類いの「特待生制度」とは異なり、入学後の至誠努力に対する称賛と励ましという考えに基づいている。
 金井校長は、昨年四月に教頭に着任し、その後十一月に校長に就いた。専門は国語。出身は長野県松本市。
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