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記事2010年7月3日 2175号 (2面)
中央教育審議会の審議動向
第4次報告とりまとめ 経営改善促す助成は課題
大学分科会
中央教育審議会大学分科会(分科会長=安西祐一郎・慶應義塾学事顧問)は六月二十九日、文部科学省内で会議を開き、今年二月から六月までの各部会、ワーキンググループ等での審議経過をまとめた第四次報告をとりまとめた。同分科会は、昨年六月に第一次、八月に第二次、今年一月に第三次報告をそれぞれ公表している。 第四次報告は全六章で構成。 @公的な質保証システムの整備と、その一環としての教育情報の公表の促進等 A多様な年齢層の者が学ぶ大学教育の推進 B大学教育のグローバル展開の促進 C大学院教育の飛躍的な充実 D質保証を支えるための国公私立大学の健全な発展―の五点を中心に整理している。 特に、第六章では「私立大学の健全な発展」として一項目を割き、学校法人の経営改善に向けた方向性等を検討している。経営改善に向けた私学助成の在り方としては、一定期間、学則定員を下回る「募集定員」を参酌した措置を講じることで適切な定員規模に誘導することや、定員超過大学への減額措置の強化、経営改善のインセンティブとなるような私学助成の工夫などが検討課題として挙げられている。 また、機能別分化については、今後の施策展開の留意点として、各大学がどの機能を選択しても、その努力に応じて支援が得られるようにすることや、全国・地域レベルでの高等教育の機会均等の確保に特に留意すること、各大学の機能に応じた適切な評価方法を開発していくことなどが挙げられている。 委員からは、今後の検討課題として「私立大学が量的に中心となっていることは間違いないし、進学者も増えている。その学生たちをどうするか、学生を中心にした議論が必要」「国公私立の枠組みを超えた議論が必要」など、量的規模を含めた高等教育の在り方に関する本質的議論を求める意見が出た。また「高等教育を受けた女性が必ずしも社会で活躍できていない現状を大学としてどう考えるべきか」「学生の学習環境支援についても議論してほしい」などの意見も出た。
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