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記事2010年3月3日 2163号 (1面) 
昨年12月末就職内定率74.8%に
深刻さ増す高卒者の雇用環境 文科省調査
前年同期比7.5ポイント下降
特に厳しい女子生徒の就職

 文部科学省は二月二十三日、今年三月に卒業する高校生の就職内定状況をまとめ、公表した。それによると、不況による雇用情勢の悪化から、昨年十二月末時点での就職内定率は七四・八%で昨年同期に比べ七・五ポイントも低下していることが分かった。


 調査結果によると、今春の高校卒業予定者は国公私立高校を合わせて百七万四千五百六十一人、このうち就職を希望しているのは全体の一七・一%に当たる十八万三千二百二十三人。
 そのうち昨年十二月末時点で就職内定を得ている生徒は十三万七千百二十八人で、就職内定率は七四・八%だった。
 一方、就職を希望しながらも就職先が決まっていない生徒は全国で四万六千九十五人、昨年同期より約一万人多かった。また厳しい就職情勢からか就職を希望する生徒の比率も昨年同期の一九・三%から二・二ポイント低下していることも分かった。男女別では、男子の就職内定率が七九・七%なのに対して、女子は六八・五%にとどまっており、昨年同期と比べて就職内定率の下降幅も女子は、男子の七・三ポイントを上回る七・八ポイントだった。


工業科は最も高く88・4%


 高校の学科別就職内定率を見ると、最も高いのは「工業」の八八・四%で、次いで「福祉」「水産」「商業」「農業」の順で、「農業」までが平均就職内定率以上だった。一方、「情報」「総合学科」「家庭」「普通」「看護」は、高校全体の平均値を下回る就職内定率だった。
 私立高校生の学科別就職内定率は、「普通」が六四・九%、「農業」が七〇・八%、「工業」が七七・三%、「商業」が六四・一%、「家庭」が六三・一%、「看護」が五〇・三%、「情報」が六九・九%、「福祉」が七四・五%、「総合学科」が六〇・六%。
 私立高校生全体の就職内定率は六六・九%で、公立高校の七六・五%を下回っていた。
 男子生徒では、公立高校・工業科の就職内定率が九〇・六%で最も高く、女子では公立高校・福祉科が八七・六%で最高だった。
 都道府県別に就職内定率を見ると、最も高いのが富山県で九一・〇%、次いで福井県が八八・七%、以下岐阜県、石川県、三重県など。反対に最も低いのは沖縄県の四六・〇%、以下、北海道、宮城県、神奈川県、大阪府など。



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