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記事2010年2月13日 2161号 (1面) 
大学設置事業 運動場、空地要件弾力化
特区推進本部評価・調査委 総理に意見提出へ
6つの特例措置を「全国展開」に

 政府の構造改革特別区域推進本部の評価・調査委員会(委員長=樫谷隆夫・日本公認会計士協会常任理事)は、二月四日、平成二十一年度の評価対象となった十二の規制の特例措置のうち、「運動場に係る要件の弾力化による大学設置事業」や「公立保育所における給食の外部搬入方式の容認事業」など六つの特例措置について全国展開(一部を含め)を行うこと、「学校設置会社による学校設置事業」や「病院等開設会社による病院等開設事業」など五つの特例措置については再度適切な時期に評価を行うこと、残りの特例措置については評価を行わない――との評価意見を取りまとめた。今月中にも本部長である鳩山総理大臣に意見を提出する。
 このうち運動場や空地要件の弾力化による大学設置事業に関しては、土地の集積が高いなどの特別な理由があって、大学及び短期大学の教育研究に支障が生じないと認められる場合には、特区に限らず、全国どこでも運動場あるいは、校地に空地を設けることなく、大学の設置等を行うことができるようにする。文部科学省は平成二十三年度中を目途に、できるだけ速やかに中央教育審議会に諮ったうえで大学設置基準(省令)を改正して新制度を実現する。また「公立保育所における給食の外部搬入方式の容認事業」に関しては、公立保育所の運営の合理化を進める等の観点から特に必要な場合は認められるもの。ただし三歳以上の幼児が対象で、咀嚼機能発達等の観点から特に配慮が必要な三歳未満児については、懸念される弊害を除去するための適切な方法等を検討するため、全国展開は見送り、引き続き特区での取り組みに限定する。
 一方、学校設置会社による学校設置事業については、全国展開により発生する弊害の有無について現時点では判断できないため、全国展開は見送り、平成二十三年度以降に再度評価を行う。
 こうした、いわゆる株式会社立学校に関しては、学校法人立への移行を希望する学校も少なくないことから、評価意見には、この問題を集中的に検討した教育専門部会では、「学校法人への円滑な移行を促進するための経過措置を検討すべき」、「多様な教育機会を増やすことを促進するため、特区以外の法制度の改変等の検討を進めることが望ましい」等の議論があったことも付記している。このほかインターネット等のみを用いて授業を行う大学における校舎等施設に係る要件の弾力化による大学設置事業についても、全国展開の是非の判断が現時点ではつかないとして、平成二十三年度に再評価を行うこととなった。

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