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記事2010年11月3日 2186号 (2面) 
答申素案を審議年内に答申
「新たな枠組み」具体化に向け課題更に検討
キャリア教育・職業教育特別部会
 中央教育審議会のキャリア教育・職業教育特別部会(部会長=田村哲夫・渋谷教育学園理事長)は十月二十七日、文部科学省内で会議を開き、「職業実践的な教育に特化した新たな枠組み」の構想を中心に、今後の学校におけるキャリア教育・職業教育のあり方についての答申素案の審議を行った。
 答申素案によると、「新たな枠組み」の設置者は、国・地方公共団体、学校法人とし、名称は今後検討する。修業年限は二〜四年で、実験・実習・実技など職業実践的な演習型授業を四〜五割程度行う。教育課程の編成・改善については、企業や経済団体・職能団体と連携する体制づくりを求めている。修了認定については、学年制ではなく、単位制やモジュール制を基本とし、修了者にはなんらかの称号などを付与する。
 教員資格には、実務卓越性を重視する一方で、教職経験等のない者については、一定期間の研修や指導力認定資格の取得などが必要としている。
 所轄庁による設置認可や監督のあり方、教職員の人員規模や必要な施設設備・校地面積の水準等を含む設置基準のあり方など、具体的な制度設計に向けた課題については、今後さらなる検討が必要としている。
 修了者に与えられる称号について、事務局は、現行の学位制度では「学位」として出すのは難しいと説明した。
 委員からは「職業能力開発大学校等との重複感がある。違いの整理を行ってほしい」「キャリア教育・職業教育は大学等でも幅広く行われてきた。新たな枠組みと既存のものとの整合性をきちんと図る必要がある」など、新たな枠組みの位置付けを明確にするよう求める意見が聞かれた。また「四年制大学志向と少子化の中で、新たな枠組みを作っても、人が流れるか懐疑的だ。専門学校や高専の衣替えに終わってしまわないか」と懸念する意見もあった。
 次回会議で、関係団体等からのヒアリングを行い、今年中に答申案を取りまとめる予定。


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