政府は十月二十六日、円高・デフレ対応のための緊急経済対策を盛り込んだ平成二十二年度補正予算案を閣議決定した。
　新成長戦略実現に向けた第二ステップ（第三ステップは平成二十三年度予算）となる緊急経済対策で、総額四兆八千五百十三億円。公共事業の契約前倒し二千三百八十八億円を加えると五兆一千億円規模となる。
　このうち文部科学省関係予算額は千八百六十七億円。そのうち私立学校関係予算額は幼稚園から大学までを加えても二十億円。同省補正予算額のわずか一・一％。二十億円のうち十三億円が「私立学校施設の耐震化等の推進」。十三億円の内訳は私立幼稚園対象が一億円、小学校･中学校･高等学校等対象が四億円、大学等対象が八億円。補助対象事業の要件等は今年度予算に準じる見通し。
　一方、公立学校施設の耐震化等推進予算は千百七十七億円、国立大学施設の耐震化推進予算は五十億円に上る。
　私立学校関係の残る七億円は、「私立大学等の教育研究設備等の整備」で、老朽化の進む私立大学等の設備等を更新して教育研究基盤の強化を図るもの。七億円の内訳は三億三千万円が基盤的な教育研究設備の整備、三億七千万円が基盤的な教育研究装置の整備となる見通し。国立大学等に関しても教育研究設備の整備予算が計上されているが、予算額は私立大学の約二十三倍の百六十億円。このほか補正予算案では「地域活性化交付金の創設」三千五百億円（内閣府）が盛り込まれている。地域の目線に立った支援を行うもので、きめ細かな、これまで光が当たってこなかった分野への支援等を行うもの。