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記事2010年1月3日 2157号 (1面) 
平成22年度 政府予算案を閣議決定
私立高等学校等経常費助成費等補助金 前年度比40億円減の998.5億円に
私大等は4億円増額
私立高就学支援金は縮小

 政府は平成二十一年十二月二十五日、平成二十二年度政府予算案を閣議決定した。深刻な財源不足の中での予算編成となったが、文部科学省の一般会計は、高校授業料無償化の創設等もあって過去三十年間で最高の伸び率(前年度比五・九%増)を記録、公立学校の教職員定数も七年ぶりの純増となった。一方、私立高等学校等経常費助成費等補助金は高校就学支援金が設けられたこともあり前年度比四十億円減の九百九十八億五千万円となった。しかしその高校就学支援金は公立高校生に比べ支給額が割増される対象者が大幅に減少した(年収基準が大幅に下げられた)。私立大学等経常費補助金は前年度比四億円増の三千二百二十一億八千二百万円となった。


 平成二十二年度文部科学省予算案のうち、最大の焦点となったのが、「公立高校の授業料無償化と私立高校等に対する就学支援金の創設」。今回の予算案では、公立高校の授業料は徴収しないとした。私立高校等については生徒一人当たり年額十一万八千八百円を支給するが、学校設置者が代理受領し、その分を授業料から減額することに。また年収が二百五十万円未満程度の世帯に関しては二倍の二十三万七千六百円を、年収二百五十万円〜三百五十万円未満程度の世帯に関しては一・五倍の十七万八千二百円を支給する(学校設置者が代理受領)。
 概算要求では倍額支給されるのは五百万円以下の世帯だったが、財源不足から割増を受けられる世帯は大幅に減少。保護者の負担する教育費の公私間格差は大きく残る形となった。私立高校生で標準額の倍額を支給されるのは全体の六%、一・五倍を支給されるのは全体の七%程度。これらに必要な予算として、概算要求額より約五百六十億円少ない三千九百三十三億円を計上している。加えてすでに公立授業料減免分として地方交付税に積算している三百十億円のこの措置への転用を地方自治体に要請する。また私立高校については、奨学事業などで都道府県に設けられている基金などの活用を要請していく方針。
 一方、私学助成関係予算に関しては、私立大学等経常費補助金が四年ぶりに減額傾向から脱し、四億円の増額となった。一般補助で新たに地方の中小規模大学等への支援を導入することや、特別補助での医学部定員増に伴う教育研究環境の整備などを行う。私立高等学校等経常費助成費等補助金は、一千億円の大台を割り込んで、前年度比四十億円減の九百九十八億五千万円となった。そのほか私立学校施設・設備の高度化・高機能化の支援は前年度比三十億円減の約百七十億円。
 国立大学法人運営費交付金は、前年度比〇・九四%の減額。ただし施設設備関係補助金、平成二十一年度第二次補正予算に計上された分を加えると、前年度比三十四億円の増額となる。このほか、スポーツ関係予算は過去最高の二百二十七億円、文化・芸術関係予算も過去最高の一千二十億円が計上されている。



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