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記事2009年9月3日 2146号 (5面) 
新校長インタビュー (189) ―― 日本音楽高等学校
校長 井田 良克氏
知性と芸術の融合教育
有明教育芸術短大との連携



 日本音楽高等学校(井田良克校長、東京都品川区)は、閑静な住宅街にあり、学園に併設されている幼稚園は同校と同じ敷地内に、保育園は徒歩三十秒の場所にある。同校は今年四月に大きく変わった。東京・有明に開学した、子ども教育学科と芸術教養学科を有する有明教育芸術短期大学(東京都江東区)への指定校推薦を活用して高大連携を推進していく。これによって、同短大の教員による同校への出張授業も行われる。
 同校は「愛と和と誠実」を建学の精神に掲げ、知性と芸術を融合させる教育課程を編成している。具体的には、「知性と芸術の融合の時間」は、土曜日の二〜三時限目に開講し、国語・数学・英語・保育・音楽・バレエの六科目の中から自分の取っているコース科目以外を選んで受講できるのだ。
 「普通科に在籍しながら、ピアノ、音楽やバレエの専門教員の授業を受けることができます。音楽コースやバレエコースに在籍しながら、音楽やバレエ以外の大学などへの進学を目指すこともできます」と井田校長は多様な学びの可能性を強調する。
 「アドバンスコース」は平成二十年四月に開設された。月曜日から金曜日まで行っている国語・数学・英語の朝学習、火曜日と金曜日に実施している朝読書、それに放課後と夏休みの進学講習などのほかに、生徒の進路実現のために、習熟度別・少人数教育を行っている。一期生の進路は二年後に分かる。「幼児教育コース」は一学年から保育実習が始まる。
 「音楽コース」の、四年制音楽系大学現役進学率は約九割を誇っている。個人レッスンは、「生きたレッスン」を合言葉に週の時間割の中に組み込んでいる。「バレエコース」では、一流の講師から直接指導を受けることができる。週六時間の実技指導で着実な技術の向上を図っている。
 「本校は音を楽しみ、学びに『親しむ』、『親学校(しんがっこう)』を目指しています」と井田校長。三月まで都立高校で十年間、校長職に就いていた。都立高校では教育改革に取り組み実績を残した。「私立中学・高校は生徒一人ひとりに手の届く丁寧な教育を行っていると思います。その点で、素晴らしい教育環境にあると思います」と語る。
 大阪出身。専門は化学。

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