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記事2009年9月3日 2146号 (2面) 
文部科学省、修学支援の検討会議が発足
私立高校生負担軽減も課題

 「児童生徒の修学支援に関する検討会議」(座長=小川正人・放送大学教養学部教授)の第一回会合が七月二十四日、第二回会合が八月二十一日にそれぞれ文部科学省内で開かれ、平成二十二年度概算要求に向けて就学支援(要保護児童生徒援助費補助金)の改善と、高校奨学金事業等の改善について検討が行われた。この会議は、塩谷立・文部科学大臣が設けた「教育安心社会の実現に関する懇談会」が七月三日に報告をまとめたのを受けて設置されたもの。同報告では、義務教育段階に関しては、授業料、教科書等以外の教育費(学納金、修学旅行費等)についても、低所得者層の家庭の児童生徒については、各市町村の財政力に左右されず就学援助を支給できるようにすることなどを、高校段階では、高校が国民的な教育機関となっていることを踏まえ、家庭の経済状況に左右されず安心して学業に専念できるよう、新たな修学支援方策を検討すること、併せて私立高校に通う生徒に対する手厚い負担軽減策を講じることを求めていた。
 こうした基本方針を受け、検討会議では平成二十二年六月三十日までに修学支援制度の現状や課題、改善・充実などを検討することにしている
 初会合では、高校の授業料の公私間格差が非常に大きな課題で、公立高校の定員を抑制している中で非常に所得が低い層も私立高校に行かざるを得ない、といった意見や、奨学金の利用者数でみると、私立高校が増えているが、返還しない人も非常に多く、奨学金の額を増やせばいいという話ではない、返還免除等の基準が非常に高く手を出しにくい実態がある、などの意見が出された。このほか私立高校に対する授業料減免補助の都道府県間の格差の問題、義務教育段階では就学支援の自治体間の格差を埋めるための方策、すべての学校種に共通する問題として、就学支援として支給した金額が家計に回ってしまう問題、支給方法に関する意見が聞かれた。

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