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記事2009年9月23日 2148号 (2面) 
観光庁 観光経営マネジメント教育でWG
産学官が連携し検討
早大など6大学でカリモデル案検証

 国土交通省観光庁は、「観光関係人材育成のための産学官連携検討会議」(平成十九年一月設置)の下に置かれた「観光経営マネジメント教育に関する産学官連携実践ワーキンググループ(WG)」の第一回会合を、九月十五日、東京・霞が関の観光庁で開催した。同WGは、日本の観光産業において、激変する経営環境に対応できるマネジメント層の人材確保・育成が急務であることから、その人材育成を目的に、昨年度作られたカリキュラムモデル案の検証と社会人(従業員)教育の在り方等について議論を行うために設置されたもの。
 一回目のこの日の会議では、@これまでの検討経緯・今後のスケジュールの説明、A観光経営マネジメント研修事業の説明、B観光経営マネジメント研修の実施大学の取り組みについて報告、C意見交換、が行われた。
 @については、昨年度までの議論の経緯が説明され、カリキュラムモデル案が提示された。今年度は、そのカリキュラムモデル案の実践・検証を大学で行うとともに社会人向けのマネジメント教育の在り方等の検討も行うとしている。今後の予定は、同WGでとりまとめられたものを、来年三月に開催される「第五回観光関係人材育成のための産学官連携検討会議」に報告する。
 Aの観光経営マネジメント研修事業については、日本交通公社が事務局となり、カリキュラムモデル案の実践大学を公募し、今年九月に和歌山大学、山口大学、首都大学東京、立命館アジア太平洋大学、横浜商科大学、早稲田大学の六大学が選定された。十月から各大学で講座を開講する。受講対象者は観光関係管理者層、雇用喪失者、学生ら。来年二月に開講成果のとりまとめを行うとしている。
 B各大学の取り組みについては実施六大学から説明が行われた。例えば立命館アジア太平洋大学は基礎編に、経営学概論、リーダーシップ論、観光関連法規、ホスピタリティー産業論、ブランド論、観光地論などの科目を設置、応用編では、事例研究、現場研究、メンバー討論、最終リポート提出を行うとしている。
 C意見交換では、グローバルな経営的視点が必要だ、地域や国全体から見た役割といった広い視野も養成してほしい、地方の旅館が淘汰(とうた)されつつあり従業員の経営力を育成してほしいという声が上がった。
 育成する人材像が見えてこないとの意見も出たが、これに対しては、例えば、世界のホテルに向けた支配人を輩出するような教育や、観光行政向けの人材養成、地域振興のための人材養成など、それぞれの大学が特色を出し専門化していくのが大事ではないか、との意見があった。
 同WGの委員のうち大学関係は、秋山哲雄・首都大学東京教授、齊藤匡史・山口大学教授、小濱哲・横浜商科大学教授、轟博志・立命館アジア太平洋大学准教授、小畑力人・和歌山大学教授、戸崎肇・早稲田大学教授。産業界からは、東良和・沖縄ツーリスト且ミ長、井本博幸・鰍iTB総務部長、越智良典・近畿日本ツーリスト叶齧ア、大西雅之・活「寒湖グランドホテル社長、木村和夫・鰍さやホテル社長、大屋了三・IHG・ANAホテルズグループジャパンCOO、南安・潟鴻Cヤルパークホテル総支配人。オブザーバーとして、観光関係各団体および文部科学省、経済産業省、観光庁が参加。座長は設けず、観光庁観光地域振興部観光資源課が事務局として進行を務める。なお、カリキュラムモデル案は、観光庁ホームページの報道発表・二〇〇九年四月七日「カリキュラムワーキンググループ中間とりまとめ」内に掲載されている。

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