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記事2009年7月13日 2142号 (7面) 
立教大学・経営学部の取り組み
ビジネスリーダーシップ学ぶプログラム
企業関係者に事業提案

 大学生が企業から与えられたテーマに基づいて事業提案などを行うユニークな授業が、立教大学(東京・豊島区、大橋英五総長)経営学部で行われている。
 共通のプロジェクトにグループ単位で取り組む過程でリーダーシップを学ぶ「ビジネス・リーダーシップ・プログラム」の一環で、一年生全員の必修となっている。
 実際に企業から設定されたテーマに、四〜五人のグループ単位で取り組み、企業関係者の前でプレゼンテーションも行う。これまで、日本酪農乳業協会からの「牛乳消費促進プロジェクト」や、豊島区役所からの「西池袋地区の住宅地としてのブランド形成策」などのテーマに取り組んできた。文部科学省の「質の高い大学教育推進プログラム(教育GP)」にも採択されている。
 今年度の一年生に与えられたテーマは、松竹芸能をクライアントとした「新スクールビジネス事業の提案」。学生たちは八十組に分かれ、五月から七週間にわたって課題に取り組んできた。六月三十日に行われた本選には六組が進み、松竹芸能関係者や学生、教員の前でプレゼンテーションを行った。
 「お笑い」に着目したシルバータレントスクールやビジネススクール、教員育成セミナー、インターネットスクール構想などから、クライアントが最優秀に選んだのは、日本語を学んでいる留学生や外国人対象の「お笑い日本語授業」を提案したグループだった。各組には、クライアントの視点から講評が行われた。
 松竹芸能で新事業開発を担当、クライアントの立場で審査した小山龍介・グリーンホールディングス社長は「単なるタレント育成ではなく、社会貢献や自治体との連携など世界を広げていく視点が面白かった。若い世代の意見を直接聞ける機会は貴重」と企業側のメリットを語った。
 最優秀グループの学生たちは「ひとりだけがリーダーシップをとるのではなく、場面ごとにリーダーシップをとる人が変わることを実感として学んだ」と話していた。
 学生たちは本選後二週間かけて課題を振り返り、自分の長所、短所を確認した上で、次のプロジェクトに進む。
 プログラムの主査を務める日向野幹也・経営学部教授は「自分たちが面白いと思うことと、企業の評価が違うのはなぜかを考えてほしい。学生はクライアントにも『教師』を求めがちだが、ビジネスの視点に直接触れる機会になれば」と期待を込めていた。



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