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記事2009年6月3日 2138号 (2面) 
一年単位の変形労働時間制導入か?
教員と職員の役割分担の見直しも
【教職調整額等の見直し作業部会】

 中央教育審議会初等中等教育分科会の「学校・教職員の在り方及び教職調整額の見直し等に関する作業部会」の第十回会合が五月二十五日、文部科学省で開かれ、審議報告に向けた議論を行った。この日は、過去二回の議論で、教職調整額を時間外手当とした場合に、@管理職による教員の勤務時間管理A部活動指導の取り扱いB持ち帰り業務の取り扱いC一年単位の変形労働時間制が課題であり、様々な解決方策に関する意見が出されたが、さらに新たな論点がないかを検討した。
 このうち管理職による時間管理については、これまでほとんど教員の勤務の実態把握ができていないため、業務の効率化や健康管理の面などから、必要との意見が多く、委員に異論はなかった。一年単位の変形労働時間制についても導入にほとんど異論はなかった。部活動に関しては、教員の超過勤務の大きな要因の一つとなっていることから、一定の制約を行うべきで、持ち帰り業務は、勤務時間とは認めがたいとの意見が多く聞かれた。また審議報告の基調となる「今後の学校像について(案)」が文部科学省から提示された。学校運営の基本的な姿については、@組織的な学校運営(教員と事務職員との適切な役割分担など)、A専門的な役割を担う教職員の配置(教育活動の実施・支援を行う多様な専門人材の活躍など)、B業務の遂行方法の改善(ITC化など)、C教職員の働き方の見直し(仕事と生活との調和、業務の繁忙に応じて、メリハリのある勤務など)――の四点に整理している。こうした整理について委員から反対意見は聞かれなかったが、教員の働く意欲を大切にした組織作りや、教員間の協力体制を促す条件整備、学校の地域との関わりなどの記述の注文も出された。このほか教職調整額に教員の業務分担に応じてメリハリをつけることに関しては、現行法ではなく、別の法律等の措置が必要ではないか、との意見も聞かれた。

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