財団法人日本私学教育研究所が平成二十一年度に実施する「教員免許状更新講習」の第一回講習が六月十三･十四の両日､東京・千代田区の東京都私学財団で開かれた。
　この講習は、免許状更新に必要な三十時間の講習のうち、必修領域（十二時間）について四人の講師が教職についての省察、教育政策の動向、学校内外における連携、子どもの変化などについて講義した。講師となったのは川合正・東洋大学文学部非常勤講師、野原明・文化女子大学総合教養系教授、阿部憲仁・桐蔭横浜大学工学部准教授、森俊夫・東京大学大学院医学系研究科助教。
　同研究所の講習は、私立学校にとって独自性や自主性が極めて重要なため、私学教員のための講習という点に力点が置かれているのが特徴。
　初回の更新講習に参加した中学高校の教員は二十八人、四つの講義の後、二日目の午後には、二時間にわたる試験が行われたが、全員が記述式試験に合格した。同研究所では、第一回講習が開かれた時点で、必修領域については来年の一月までに合わせて十七の講習を、また選択領域「教科指導・生徒指導その他教育の充実に関する事項」（十八時間）では七月と八月の二カ月間に十六の講習を実施することにしている。
　一方、全国的な状況をみると、五月二十九日現在、教員免許状更新講習に申し込みをした教員は必修領域が約五万二千人、選択領域が約十二万七千人に上っている。