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記事2009年5月3日 2136号 (5面) 
新校長インタビュー (182) ―― 日本橋女学館中学高等学校
校長 揚村洋一郎氏
教育職員自己申告書作成
進路指導の充実目指す


 日本橋女学館中学高等学校(仮校舎=東京都台東区)の揚村洋一郎校長は、「私立学校は生徒が入学しないと運営していけません。ですから、公立との根本的違いは、私学は経済的効率性という位置付けが強いということです」と私立学校の印象を述べた。
 同校の百四年の歴史と伝統を受け継ぎ、目標を生徒と保護者に理解してもらうことを方針とする。目標を進学授業の、創造と一層の充実改善に置き、進学校として成果を上げ責務を果たしていく。根底には、生徒が目標に向かって主体的に・意欲的に取り組み、授業の理解度・信頼度を深めることが重要だとの認識に立っている。この目標に向かっての教育改革の一環として、揚村校長は「教育職員自己申告書」を作成した。
 「先生方には『教育職員自己申告書』を作ってもらい、先生一人ひとりと面談を行っていきます。自己申告は、学校経営方針を踏まえて教育職員が自ら職務上の目標を設定し、その目標をどこまで達成できたかを自己評価する制度です」と述べる。目標については、学習指導、生活指導・進路指導、学校運営、特別活動を挙げている。
 中期的には、進路指導部と学年との連携により全教職員で進路指導の充実を目指し、来年度以降は、数値目標を出して、国公立大学と難関私立大学を目指す。また、今年度は国数英三教科で一、二年次から学習内容の定着を図る目的の講習を実施し、成果検証のため、二年次でセンター試験レベルの模擬テスト(五教科)を実施する。理科・社会で、センター試験のみを受験する生徒に対しても二年次後半から三年次前半にかけ、履修範囲に合わせセンター試験対応の講習などを実施する。
 「進学やスポーツだけではなく、私学の目指す教育論を明確にしなければなりません。例えば、公的支援を受けながらさまざまな障害をもつ方を対象とする学校や学校教育支援校などもあってもいいのではないか」と私学に対して提案もする。
 今まで都立高校でさまざまな教育改革に取り組んできた後、都立三田高校、都立戸山高校で校長を務めた後、日本橋女学館中学高校長に就任した揚村校長。「教育改革は組織的に持っている課題を結果的に達成できて初めていえることだと思います。結果の検証をせずに教育改革とは言えません。今は苦しいが、伝統校としての復権を目指しています」と意欲を見せた。
 揚村校長の専門は地形学等の自然地理。
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