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記事2009年5月3日 2136号 (2面) 
専攻科修了生に大学編入学を
専門高校の意義再確認
【キャリア教育・職業教育特別部会】
 中央教育審議会のキャリア教育・職業教育特別部会の第六回会合が四月三十日、文部科学省内で開かれ、後期中等教育における職業教育の在り方について集中討議が行われた。初めに荒瀬克己委員(京都市立堀川高校長)が、「普通科高校におけるキャリア教育の課題」について意見発表。続いて鹿嶋研之介・千葉商科大学教授が「専門高校における職業教育の現状、課題、展望」と題して意見発表した。この中で荒瀬委員は、同校の総合的な学習の時間の取り組みなどを紹介しながら、言語活動の重要性、生徒の語彙を豊かにし、論理的な、理解しやすく誤解の生じにくい言語の活用力の必要性などを指摘、そうしたことの実現のためには、学校内外を繋ぐコーディネーターの養成と配置、キャリア教育と職業教育を踏まえた進路指導の研究・構築・交流、高校教育の質保証に基づく大学や企業との接続・連携、必要な教員数の配当と教員研修の充実などを課題として挙げた。また鹿嶋教授は、高校の専攻科が学校教育上、明確に位置づけられていない点を指摘、専攻科修了生の大学三年次編入学の道を開くよう求めた。専門高校に関しては、施設設備や、教員が企業で研修を積む機会の充実の重要性を指摘、専門高校は地域の活性化に貢献できることを強調した。
 この後の自由討議では、専門高校は、高等教育がない地域では職業教育を高度化する役割を果たせること、高度経済成長期に企業が新入社員に専門高校で何を学んできたか問わなかったことなどから、専門高校の低迷が続いたが、産業構造が変わる中で専門高校の意義の見直しの必要性などが指摘された。また企業実習を必修単位として科目化すること、普通科で一定単位の職業科目を履修できるシステム、それを可能にする教員配置、すべての職業教育に学習到達度を示すものとして資格制度を設けることなどの改革が提案された。そのほか工業高校や普通科(中)高校でのキャリア教育の取り組みも報告された。
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