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記事2009年4月23日 2134号 (1面) 
中教審、法科大学院の改善で報告
質の向上へ適性試験の統一化必要
法学未修者の単位増も提言
 法科大学院における質の保証の在り方について審議していた中央教育審議会大学分科会の法科大学院特別委員会(座長=田中成明・関西学院大学大学院司法研究科教授)は、四月十七日、「法科大学院教育の質の向上のための改善方策」と題する報告書をまとめた。司法制度改革の中で発足した法科大学院だったが、最近では定員割れの大学院も増え、平成十九・二十年度二年連続で定員割れを生じている大学院が七十四校中で二十八校もあり、司法試験で合格者がゼロあるいはごく少数という大学もあることから、見直しを求めたもの。
 このうち適性試験に関しては、著しく低い点数の者を入学させないよう統一的な入学最低基準が必要で、適性試験の公平かつ安定的な実施のため、法科大学院関係者の主体的参画の下で、適性試験の統一化を図るべきだとしている。
 法学既習者認定(修業年限を一年短縮できる)については、試験科目と履修したものとみなす科目との関係の厳格化などを、法学未修者(多様な人材確保のため)に関しては、一年次における法律基本科目の単位数を六単位程度増加させること、一年次における成績評価、単位認定、二年次への進級判定の厳格化などを求めている。さらに平成二十五年度まで認められている学部等の専任教員数のダブルカウントの暫定措置については延長しないこととし、各法科大学院には可能な限り早い時期に暫定措置を解消するよう求めている。
 加えて質の高い入学者を確保することが困難、あるいは修了者の多くが司法試験に合格しない状況が続いているなどの大学院については、平成二十二年度の入学者から自ら主体的に入学定員の削などの適正化に向けた見直しを個別に検討する必要があるともしており、法科大学院はその規模を大きく縮小することになりそうだ。
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