こちらから紙面PDFをご覧いただけます。



全私学新聞

TOP >> バックナンバー一覧 >> 2009年4月13日号二ュース >> VIEW

記事2009年4月13日 2133号 (5面) 
新校長インタビュー (180) ―― 大妻中学高等学校
校長 前田 康博氏
課題は国際化、量より質の向上へ
すべては生徒のために


 大妻中学高等学校(前田康博校長、東京都千代田区)は「恥を知れ」を校訓に掲げ、大妻コタカ氏によって創立された。大妻コタカ氏は「決して他人に対して言うことではなく、あくまでも自分に対して言うことです。自分を戒める言葉です」と説き、自分を律する心を養うように教えた。それとともに、校訓には人格を高めていく努力を怠ってはならないという意味も込められている。
 昨年四月に同校の校長に就任した前田氏は「大妻コタカ先生の教えは、世界に向けた広い視野を持つ人材を育成することです。先生の遺志に通じる課題に取り組みたいと考えています」と述べる。
 「私学は少子化の危機にさらされています。入り口(入学)と出口(卒業)まで、常に外部からの評価にもさらされています。私学は知恵を絞って汗をかくことによって、生き残ることができると思います。これからの教育は『国際化』が課題で、そして、量より質の向上だと思います。伝統があること、校舎を新しくすること、制服を変えることだけでは生徒・保護者から決していい評価は得られません」と言い切る。
 前田校長が教育の質の向上について重視する上で最も力を入れているのが、教師のやる気≠セと言う。基本的には、保護者は六年間学校に子供を預けるから、望むことは教育の中身だと言う。「生徒が卒業するときに、誇りを持って『私は大妻生だった』と言える学校にすることが理想です。生徒の進路が多方面になっている現在、すべては生徒のために≠ニいう思いを持ってやっています」と強調する。
 「石橋をたたいて渡らない人がいますが、石橋をたたいたら渡らないとだめです。渡らないで後悔するより、渡った方がいいのです」と前田校長は、良いと思えることは果敢に挑戦する方針だ。
 毎日、分刻みのような校長生活を送っている前田校長は大阪出身。同志社大学経済学部卒業後、毎日新聞東京本社編集部外信部記者、ソウル支局長(常駐特派員)、編集委員を経て一九九二年退社。北九州市立大学教授、大妻女子大学文学部教授を経て校長に。大学での専門は、朝鮮・韓国の政治外交など国際関係論。訪中二十五回、訪朝十二回、韓国は数えきれないほど訪れている。ライフワークは、朝鮮半島、日韓・日朝問題。
記事の著作権はすべて一般社団法人全私学新聞に帰属します。
無断での記事の転載、転用を禁じます。
一般社団法人全私学新聞 〒102-0074 東京都千代田区九段南 2-4-9 第三早川屋ビル4階/TEL 03-3265-7551
Copyright(C) 一般社団法人全私学新聞