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記事2009年4月13日 2133号 (1面) 
政府与党 国費15兆円超の経済危機対策
教育費負担へ支援
学校施設の耐震化を早期推進
 政府・与党は四月十日、国費十五兆四千億円(事業規模で五十六兆八千億円程度)に上る「経済危機対策」を決めた。今月下旬にも平成二十一年度補正予算案として国会に提出する。具体的施策は、(1)緊急的な対策―「底割れ」の回避(2)成長戦略―未来への投資(3)「安心と活力」の実現―政策総動員(4)税制改正が柱。私立学校に関して麻生総理は記者会見の中で、授業料滞納者の急増に触れ、こうした生徒を支援するため授業料減免や奨学金への緊急支援を実施することを明らかにしている。

 このうち教育関係の施策を拾い出してみると、「成長戦略―未来への投資」では、低炭素革命の一環として、スクール・ニューディール構想を実現する。三年間で公立をはじめとする学校施設の耐震化の早期推進、太陽光パネルをはじめとしたエコ改修、ICT環境の整備等を一体的に抜本的に拡大実施する。
 また健康長寿・子育て支援として、医療機関の機能・設備強化(大学病院の機能強化など)を挙げており、私立大学病院の施設整備には利子助成で支援する。加えて福祉・介護人材の資格取得等のキャリア・アップ支援等、教育費負担への支援(経済情勢の悪化により修学困難な学生・生徒に対する授業料減免・奨学金事業への緊急支援等、内定取り消し問題に対応した大学等の相談体制の充実といった就職支援の強化も盛り込んでいる。
 底力発揮・二十一世紀型インフラ整備としては、大学等における教育研究基盤の強化等、産学官連携の強化、新学習指導要領への対応等(小中高校における理科教育の抜本強化等)を行う。理数以外では、外国語、体験活動、武道、幼児教育、特別支援教育などに関する設備等の教育環境整備、外国人児童等への日本語教育の充実などを行う。留学生の受け入れ促進(留学生宿舎の整備等)、若手研究者の海外への留学支援、研究に集中できるサポート体制、多年度に自由に運営できる研究資金など、従来にない全く新しい研究者最優先の制度を創設する。
 地上デジタル放送への完全移行に向けた対策の強化、スポーツ施設の整備などスポーツ振興のための基盤の確立等も盛り込まれている。デジタルテレビに関しては、学校のすべての教室に電子黒板等を含め配置する。また学校でのパソコン配置の拡充、校内LANの整備、教育分野におけるデジタルコンテンツの充実・活用等促進によりデジタル教育を推進する。
 地方公共団体への配慮としては、「地域活性化・公共投資臨時交付金(仮称)」や、「地域活性化・経済危機対策臨時交付金(仮称)」の交付等を挙げている。
 税制改正では、試験研究費の総額に係る税額控除制度等について、平成二十一・二十二年度において税額控除できる限度額を時限的に引き上げるなど。
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