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記事2009年2月3日 2125号 (3面) 
大阪と愛知で私学振興大会開催
大阪
私学助成削減に公費支出公平化決議
平岡会長「公私間格差は理不尽」
大阪私立中学校高等学校保護者会連合会(松山省三会長)は一月二十六日、大阪国際会議場で「第二十八回大阪私学振興大会」を開催し、「中学校卒業生の進路保障と学校選択の自由のために、一刻も早く公費支出の公平化の実現」を決議した。会場には、私立中学高校へ子供を通わせる保護者ら二千七百人が集まった。大阪府は平成二十一年度も当初予算編成に当たって、「収入の範囲内で予算を組む」という考えを基本に「財政再建プログラム案」を進める方針を打ち出している。この方針の下に、私学助成について、中学が二五%、高校が一〇%カットを明らかにしている。
 主催者の松山会長は、府内の私立高校へ約四割の高校生が通っていること、高校生一人当たりの公費支出の公私間格差が四十八万円になっていることを紹介した上で、「子供の能力とは関係ないことで、私学への進学をあきらめる状況になっている。公立と私立が適正な競争を行うことにより、質の高い教育を受けられると信じている」と訴えた。
 また、協賛者の平岡正巳・私立中学校高等学校連合会長(清風南海中学高校長)は、私学は生徒数がゼロであれば、運営も教育も成り立たないという点からすれば、「私学は『保護者立』と思っている。高校生一人当たりの公立の授業料は十四万四千円に対し、私学の場合は約六十万円となっており、保護者の負担は約四倍となっている」と述べた上で、「私学の特色は、教育課程プラス教育方針に基づく付加教育だ。高校生一人当たりの公費支出の公私間格差は、理不尽で理にかなっていない。憲法二十六条の教育を等しく受ける権利の趣旨に乖離しているのではないか。私学教育に対する思い、熱い期待を教育の中で具体化するという使命感がある。ピンチはチャンスと考えている。今回、府は私学経常費補助について削減の方向を明らかにしているが、私学は教育の理想に向けてさらなる努力を重ねていかなければならない」と強調した。
 これに対し、橋下徹知事のあいさつを代読した三輪和夫・副知事は、「私学助成を削減したことに対し申し訳ない」と応えた。畠成章・府議会議長は「私学振興を支援し、人づくりに全力を尽くす」と述べた。
 また、横倉廉幸・私学振興議員連盟会長は「橋下知事に、公教育を支えている私学の重要性を訴えていきたい。この大会をきっかけに、府民の声をぶつけていきたい」と力強く述べた。
 保護者会連合会と中学高校の両連合会は昨年十一月、府に対し経常費補助削減に対し反対の要望を行っている。平岡会長は「知事に公私間の保護者負担格差の不公平感を感じてほしい。このままではいけない」と語っている。
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