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記事2009年2月13日 2127号 (1面) 
教育再生懇談会第3次報告公表
大学に質向上迫る
質保証の取り組みで公費増減
  内閣総理大臣が開催する「教育再生懇談会」(座長=安西祐一郎・慶應義塾長)は二月九日、総理官邸で開いた第七回会合で第三次報告をとりまとめた。第三次報告のポイントは、(1)携帯電話利用の在り方(2)大学全入時代の教育の在り方(3)教育委員会の在り方の三点。

 (2)の、大学教育に関しては、大学教育の名に相応しい学生、教育の質が確保できていない、意欲と能力ある者に大学進学を保障する仕組みが整っていない、トップクラスの人材を育てられる環境になっていない、との危機から、学生の質の担保、大学教育に対する外部チェックの厳格化、大学財政が私費負担に依存せざるを得ない構造の転換、家計への支援により、意欲ある学問への途を開くこと、学術研究の担い手・教育補助者としての大学院生の貢献を正当に評価して、給付制の支援方策を拡充すること、高大連携の推進により優れた高校生の能力を伸ばすことを求めている。
 このうち質保証に関しては、大学の一般入試に関しては入学後の学修に必要な教科・科目について確実に学力検査を行うこと、推薦・AO入試では本来の趣旨に沿って実施すること、国に対しては「高大接続テスト」を設けるための具体的検討を進めることなどを求めている。また在学生に対しては、単位・進級・卒業認定の厳格化、英語の体得などを通じて、大学は卒業生の質に責任を持つこと、第三者評価では、被評価大学の分野ごとの教育、研究水準の比較が可能となるよう評価指標を明確化、評価結果を数値化するなど分かりやすく公正、客観的なものとする。こうした取り組みのうえで、学生確保を優先するあまり学生、教育の質の低下をまねく、私費負担が重いため、経済的理由から高等教育を受ける機会を失っているなどの大学財政構造の転換を図る、としている。私学助成など公的支援の配分方法については、大学教育の質の担保・向上に向けた取り組みを厳正に評価したうえで大胆に見直すこと、給付型の経済支援策の拡充などを求めている。一方、教育委員会に関しては、「公立学校の設置運営に当たって、私立学校との関係、塾・フリースクールなど民間教育施設との関係を視野に入れた対応の重要性が高まっていることを踏まえ、教育委員会は、私立学校や民間など幅広い教育関係者との関係を強化」を提言している。携帯電話に関しては、小中学校への原則持ち込み禁止等を求めている。
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