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記事2009年2月13日 2127号 (2面) 
高等教育局長国際的枠組みで質保証を
第四期最終審議
委員からは地方大学消える懸念
 【大学分科会】
 中央教育審議会の大学分科会(分科会長=安西祐一郎・慶應義塾長)の第七十五回会合が、一月二十六日、東京・霞が関の文部科学省で開催された。今回の会合が第四期としては最後となる。この日の議題は、中長期的な大学教育の在り方についてなど。
 まず事務局から、これまでの審議での意見など概要をまとめた「大学分科会の審議経過について(案)」が提出され、説明が行われた。
 また、大学分科会および各部会等における審議状況については、以下のように説明された。
 大学分科会では「中長期的な大学教育の在り方について(諮問)」に関して審議を行ってきたが、引き続き次期でもこれについて審議が行われる。制度・教育部会は「学士課程の構築に向けて(審議のまとめ)」を昨年十二月に答申。大学院部会は大学院教育の実質化などを審議中で、次期も継続審議する。大学教育の検討に関する作業部会は「中長期的な大学教育の在り方について(諮問)」に関する各種調査・分析および論点整理のための専門的な検討を行っており、作業部会の下に十三のワーキンググループを設置、このうち四つが具体的検討を開始している。法科大学院特別委員会は「法科大学院教育の質の向上のための改善方策について(中間まとめ)」を昨年九月に取りまとめ、今後さらに審議が行われる。留学生特別委員会は昨年七月に「「『留学生三十万人計画』の骨子」取りまとめの考え方に基づく具体的方策の検討」を取りまとめた。専門学校特別委員会は「高等専門学校の充実について」を取りまとめ、昨年十二月に答申。認証評価特別委員会は昨年六月まで認証評価の改善に関する論点について検討を行ったが、中長期的な大学教育の在り方とかかわりが深いため、いったん審議を休止している。
 このほか、教育振興基本計画アクションプランについて、二十一年度のプランは二月ごろ作成予定であることが報告された。第四期最後の会合ということで各委員からは、「このまま競争中心になれば早晩、地方から高等教育が消えてしまう」「留学生三十万人計画については経済的支援が必要」「現場の教員の負担が増え続けている。将来的に教育・研究の質を低下させるのではないか」「英語で授業をすればグローバル化ということではない。高等教育の質をいかに高めていくかを次の課題に」「高等教育が衰退しているのは明白であり抜本的改革の覚悟が必要だろう」などの意見が述べられた。
 徳永保・高等教育局長は、大学は公共財だ、質保証については国際的枠組みでの質保証を考えていきたい、大学は教育と研究だが研究を確保することも大学の課題だ、などとあいさつした。
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