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記事2009年2月13日 2127号 (2面) 
専門高校の評価高める努力を
産業界との連携強化求める声
【キャリア教育・職業教育特別部会】
 中央教育審議会のキャリア教育・職業教育特別部会の懇談会が二月四日、文部科学省内で開かれた。本来なら二回目の会合だが、第四期中教審が終了、第五期中教審がまだ始動していないため、この日は懇談会との扱いになった。
 しかし実質的には、諮問事項に関する審議が進められた。
 懇談会では、第一回会合の自由討議で委員から出された様々な問題点や課題などをテーマ別に整理した資料、それを一覧表にした資料などが提示されたほか、引き続きキャリア教育・職業教育に関して、委員の意見発表が行われた。
 委員からは、職人や職業教育、専門高校などが不当に低い社会的評価を受けているとして、初等中等教育段階で評価を高める努力を求める意見や、卒業後、社会で生きていく力を育てるという点で高校の普通科の見直しの必要性を指摘する意見、普通科教育を職業教育に接近させていくことを求める意見、高校で誰もが学ぶ職業教育をインターンシップを含めて議論すべきだ、とする意見などが聞かれた。
 また専門学校関係者からは、「中学、高校、大学という一本道ではなく、幅広い選択肢を子どもたちに与えるために職業教育に特化した新しい学校種について議論してほしい」、「(文部科学省の調査などで)専門学校はしばしばデータなしということがある。今の教育制度の中で考えるのではなく、専門学校を学校制度の中に入れて頂きたい」などとする意見が出された。新しい学校種の創設に関しては、「高専、工業高校の中身を精査して、今ある組織をもっと活性化すべきだ」といった意見も聞かれた。
 そのほか産業界との連携強化の必要性を訴える意見も複数の委員から出され、ボランティアで教育を応援したいと考えている企業の声や企業による出前授業の現場視察、日本ではどういう職業教育が有効か明確ではないため産業界とのカリキュラム作りが必要とする意見も聞かれた。若者の三分の一が非正規労働者となる点が問題とする意見もあった。
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