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記事2009年11月23日 2154号 (5面) 
新校長インタビュー (193) ―― 成蹊中学・高等学校
校長 両角 雄功氏
個性持った自立的人間の創造
正しいマナー、ルールの順守



 「生徒たちには、あいさつ、身だしなみ、けじめをしっかりすることをよく話しています」
 両角雄功・成蹊中学・高等学校長(東京都武蔵野市)は、こう述べた上で、「正しいマナーは、他者への思いやり、ルールの順守は自分を律することになります」と続けた。
 成蹊学園は建学当時から「個性の尊重」「品性の陶冶(とうや)」「勤労の実践」を教育理念に掲げている。
 二〇一二年には創立百周年を迎える。現在ソフト、ハードの両面で充実させる「新・成蹊創造プラン」が進行中だ。
 「中学時代は自分の得意なことや才能を自覚する時、高校時代は自覚した才能を将来に向け伸ばす時であり、人生で何を目指すかを決める上で、最も重要な時期で、さらに大学は才能に磨きをかける場」(両角校長)という認識に基づいて、個性を持った自立的な人間の創造を目指している。
 この方針は、国際理解教育、キャリア教育、情報教育の三つの教育の柱で貫かれている。このうち、国際理解教育については、アメリカ・セントポール校とは六十年、オーストラリア・カウラ高校とは四十年近く、交換留学が行われている。
 短期留学として、二〇〇三年からカウラ高校へ、二〇〇六年からイギリス・ケンブリッジ大学ペンブルグカレッジへの派遣も始まっている。また、キャリア教育については、「自分を知る」「社会を知る」「情報を収集し分析する」――という過程を通して、中学段階からキャリア意識の醸成に力を注いでいる。
 両角校長は、小学校から大学まで同学園で過ごした。大学四年のとき高校野球部の監督に就任。卒業後、働きながら監督を続けたが、二十五歳で教員を目指そうと決心。他大学の教育学部に入学し、卒業後は体育の教師に。以後、野球部監督を二十年近く続けた。そして、同校の教頭職を四年間経て校長職に。
 「監督時代は選手たちに強制的にやらせるというやり方ではなく、自分たちでよく考え、そして言って納得させるという方針をとっていました。それが信頼関係を築くことだと思います」とあくまでも部員との信頼関係が重要と語る。「現在、すべてのクラブの顧問と考えています」と大会などには積極的に参加している。

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