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記事2009年11月23日 2154号 (2面) 
「キャリアガイダンス」の位置付け明確化へ
大学設置基準を改正し
中央教育審議会の審議動向
大学分科会質保証システム部会

 中央教育審議会大学分科会の質保証システム部会(部会長=黒田壽二・金沢工業大学総長)は十一月十八日、文部科学省内で会議を開き、大学分科会が八月に「第二次報告」の中で提言したキャリアガイダンス(社会的・職業的自立に関する指導等)の法令上の明確化について審議。大学設置基準を改正し、新規定を置く方向で一致した。
 事務局が示した具体案では、大学設置基準第四十二条「厚生補導の組織」の規定の次に、「社会的・職業的自立に関する指導等」として「大学は、学生が卒業後自らの資質及び能力を発揮し、社会的及び職業的自立を図ることができるよう、その教育研究上の目的を踏まえ、教育課程及び厚生補導を通じて、必要な指導又は支援を図るものとする」との新規定を置く。短期大学、大学院、高等専門学校についても、同様の規定を設置基準に設ける。各大学がどのような取り組みを行うかは自主性に任せ、特定の内容・方法を大学に課すものではないとする。もっとも、大学の取り組みが、単に「キャリア○○○」と称する授業科目を設定することや従来の職業指導をそのまま単位修得科目に置き換えることだけであれば、大学教育の質が問われる恐れもあり、留意する必要があるとしている。
 こうした留意事項については、施行通知や解説等の文書によって明確にしていく方針だ。
 設置基準の改正については委員の意見はほぼ一致したが、「キャリアガイダンスという言葉を明確にしないと混乱が生じる」「大学が組織として取り組む必要がある」などの意見が聞かれた。
 会議に参加した安西祐一郎・大学分科会長は「多くの大学はキャリアガイダンスを一生懸命やっても、そもそも雇用がないという現実に直面している。そこに目を向けた議論もしてほしい」と要望した。

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