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記事2009年10月23日 2151号 (2面) 
成績上位層の子どもは時間を有効活用
ベネッセが放課後の生活時間調査結果公表
タイム・マネジメント力育成重要
すき間時間の活用が鍵

 成績上位層の子どもは、時間を有効に活用している―。
 ベネッセコーポレーション(本社・岡山市)が全国の小学五年生から高校二年生を対象に行った「放課後の生活時間調査」の結果から、このような傾向が浮き彫りになった。同社は「子どもの成長に応じてタイム・マネジメント力を育てることが重要」と指摘している。調査は昨年十一月に約二万五千人を対象に実施、八千十七人から回答を得た。回収率は三一・二%。
 子どもたちが、放課後に自由に使える平均時間は、部活動のない中三生の六時間十四分を除いて、約四―五時間。学年が上がるにつれて睡眠時間は短くなるが、中一・二生、高一・二生は部活動(約一時間半)が加わるため、自由時間が短くなっている。自由時間の多くは、「勉強」と「メディア(主にテレビ・DVDの視聴)」に使われている。
 勉強時間は、小学生は夕食前に、中高生は夕食後に確保する傾向が見られる。小学生は夕食前の十七時に約三割が勉強しており、ピークは十七時三十分。二十時は「メディア」や「生活(食事・身の回りのことなど)」が中心。二十三時には、九割以上が就寝している。
 中一・二生は夕方に部活動があるため、二十時に勉強している生徒が三六・六%で、ピークは二十時四十五分。部活動のない中三生は、十七時に約二五%が、二十時には半数以上が勉強している。
 高校生は、二十時に勉強している割合は約一五%にすぎず、半数が「メディア」「生活」に充てている。勉強時間のピークは二十二時十五分だが、ここでも勉強している割合は三割にみたない。二十三時には三割弱が就寝しているが、二五・一%が「メディア」、二二・一%が勉強に充てている。成績別に、時間の使い方を比べてみると、上位層は、十八時に勉強している割合が、すべての学年で、下位層よりも高い傾向がある。
 中学生の宿題以外の勉強に着目すると、成績にかかわらずピークの時間帯は二十一時四十五分。しかし、上位層にはピークが二回あり、十七時十五分から十八時半に勉強している比率が一〇%を超えている。
 また、上位層は、放課後の時間の四七・二%を勉強に費やしているが、下位層では三一・四%。半面、「メディア」に充てる時間は、上位層で二六・七%、下位層で三七・〇%と逆転。勉強する時間と「メディア」に充てる時間との間に相関関係が見られる。
 こうした結果について、同社では「成績上位層の子どもは、単に勉強時間が長いだけでなく、すき間時間をうまく活用するなど効率的に時間を使っている。限られた時間の配分がうまいのではないか」と分析している。

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