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記事2009年10月13日 2150号 (1面) 
株式会社立学校、6年目の評価
先行きには閉塞感も
通信制高校の教育活動等調査

 現在、構造改革特区に限って認められている株式会社による高校や大学等の設置について、規制緩和して全国的にできるようにするかどうかの六年目の評価作業が現在進行中だ。構造改革特別区域推進本部の評価・調査委員会と規制所管省の文部科学省がそれぞれ十月から十一月にかけて再び学校設置会社やそれを認めた地方自治体、株式会社立学校で学ぶ生徒や保護者等を対象に成果や弊害などを調べることにしている。このうち文部科学省は、高校以下に関しては経営方針や経営と教学のバランス、教育活動、学校施設、教職員等について調査を実施するが、評価も六年(回)目ということなどから、調査項目を大幅に縮小させたほか、教育活動状況については通信制高校に絞って調査する。
 その調査では添削指導の実施状況や面接指導の実施方法・実施場所、面接指導時間の免除、試験の実施方法・実施場所などを調べる。
 特に一部の広域通信制高校が教育活動上の問題を指摘されており、同評価・調査委の金子郁容・教育部会長(慶應義塾大学教授)も問題点を指摘している。しかし金子部会長は、そもそも株式会社立学校制度自体がこのままではどうにもならないと、閉塞状態にあることを認めており、現時点で大きな進展は難しい情勢だ。株式会社立学校の中には学校法人への移行を模索する動きもあり、文部科学省は今年度調査で学校設置会社の学校法人化に向けた検討状況を調べることにしており、評価・調査委でも、学校法人として学校設置・運営が可能ならば、株式会社立とどちらの設置形態が望ましいか、現行の学校法人制度の問題点などについても学校設置会社に意見を求めていくことにしている。

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