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記事2009年1月3日 2123号 (1面) 
20年度2次補正予算案国会提出
私立高校授業料減免で新交付金
私立学校施設の耐震化も対象
 政府は一月五日、平成二十年度第二次補正予算案を衆議院に提出した。
 二兆円に上る定額給付金が与野党間の大きな争点となっているが、二次補正予算案の中には「地域活性化・生活対策臨時交付金」(予算額六千億円)が含まれている。この交付金は、地方公共団体が地域活性化あるいは生活対策に対応した施策を実施できるよう創設するもので、私立学校関係では都道府県が実施する私立学校に対する授業料減免事業や、私立学校施設の耐震化事業が交付金の対象となる。
 このうち私立高校授業料減免事業(=授業料の納付が困難な生徒に授業の減免を行った私立高校に対して都道府県が補助を出す事業)は、現在、全都道府県で実施されており、都道府県の同事業総額は平成二十年度当初予算で約二百三十億円、対象高校生数は約十六万四千人にも上っている。
 これらの事業には一部、国庫補助も出ているが、大半は都道府県の自前財源による単独事業。これらの事業に今回、交付金が出されることになる。国庫補助がでる保護者の勤める企業が倒産、あるいはリストラ等で家計が急変した場合や生活保護を受けている家庭に対する事業に関しても同交付金の対象になる可能性もある。
 今回交付金の対象となる都道府県の「授業料減免への支援」と「私立学校施設の耐震化」は、平成二十年十月三十一日以降に実施した事業で、現在、県内ではこれら交付金の受け入れ準備が進められている。
 私学関係の交付総額がどの程度になるのかは今の段階では不明。六千億円のうち都道府県向けは二千五百億円程度で、市町村向けは三千五百億円程度。交付に当たっては、地域経済の疲弊が著しい団体や財政力の弱い団体、離島や過疎等の条件不利地域等が配慮される。東京都は対象外。
 このほか今回の平成二十年度補正予算案には、地方自治体の私立学校向けの事業が一部対象になる「ふるさと雇用再生特別交付金事業」(予算規模二千五百億円)と「緊急雇用創出事業経費」(同一千五百億円)も盛り込まれている。
 前者は地方公共団体が民間企業等の雇用機会を創出するもので、原則一年の雇用契約。後者は地方公共団体やシルバー人材センター等が、職を失った非正規労働者や中高年齢者を対象に一時的な雇用・就業機会(六か月未満の雇用契約)を創出するなどとしたもの。
 私立学校に関係する事業では、私立幼稚園での預かり保育等手厚い保育サービス提供事業、補助教員による、IT、文化などの分野の教育の充実を図る事業など。
 そのほか教育関係では学校耐震化に向けた調査などが挙げられている。
 詳細については現時点では不明だが、今月中旬には所管する厚生労働省による都道府県向け説明会が行われる予定。
 平成二十年度第二次補正予算は成立後速やかに実施される予定。
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