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記事2009年1月3日 2123号 (2面) 
教員養成部会開かれる
中教審の審議動向
免許更新講習の課題等報告
予算増えず失望感も
 中央教育審議会初等中等教育分科会の教員養成部会(部会長=梶田叡一・兵庫教育大学長)が昨年十二月二十四日、東京・虎ノ門の文部科学省で開かれ、教員免許更新制の現状等について意見交換したほか、教職大学院について玉川大学と東京学芸大学からヒアリングを行った。この中で文部科学省からは、今年度の免許状更新講習プログラム開発委託事業を通じて明らかになった課題や今後、改善に向け関係者に望まれる取り組み、平成二十一年度関連予算の状況等が説明された。
 このうち教員免許更新制関連の予算については、約四十七億円の概算要求から結局、「免許状更新講習開設事業費等補助」として約十億円、「教育免許更新制理解促進事業」として約二千万円しか認められず、更新講習を受講する教員からは受講料を取らないとの前提が財政当局から認められなかったこと、その中にあっても受講機会の地域間格差をなくすための予算措置はできた、との説明が同省からあった。同省の説明によると、高校の看護や水産、商船や特別支援教育関係などは受講人数が集まらない可能性が大きく、コスト的に開設が難しいことからそうした教科に予算措置がされる予定。しかし教員養成部会の委員からは、受講料の軽減を求める国会での附帯決議があったはずとの意見も出されたが、同省では可能な限り負担の軽減に努めていきたいとの考えを示した。
 一方、免許状更新講習に関しては、今年度行われた試行で様々な課題等が報告された。例えば講習の内容、方法、時間数では、「受講者から講習で用いられている資料や数値で古いものがあるとの意見があった」「各大学等で、遅刻、途中退出等の際の対応についてどのようにしたらよいかとの意見があった」など、また修了認定(履修認定)では、「試験問題として一般的な感想や制度の認知状況などを問うものがみられた」、その他では「講習開始直前になって受講者が障害を有することが判明、急に受講環境の配慮に取り組むこととなった」など。このうち講習で用いられる資料等に関しては、同省では、同省のホームページの中で体系的に提供していること、また遅刻等に関しては他の学務上の取り扱いにそくして非常識なものとならないように各更新講習開設者が判断すること、修了認定では一般的な感想や認知状況等を問うものは不適当であること、受講者の障害の有無等については受講申し込みの段階等で把握することが重要との方針を示した。教職大学院に関しては、大学側から修了者が得られるメリットを制度的に明確にし、周知・広報を徹底して入学者を増やす必要性等が指摘された。
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