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記事2009年1月3日 2123号 (5面) 
福島県 教育費公私間格差の是正訴える
第二子以下の保育料無償化新設決議
 福島県私立中学高等学校保護者会など福島県内の私学四団体は昨年十一月二十一日、郡山市の郡山ユラックス熱海で、私学の保護者ら約千九百人が出席して「第三十五回福島県私学振興大会」を開催した。なお、同大会に向けて三十万を超える署名が集まった。この中で主催者の柴野乙彦・同保護者会代表は、同県の平成二十一年度予算が前年度当初予算に比べ最大で四〇%もの削減になる方針で編成されることを報告した上で、「二十一年度の私学関係補助金が削減されることになれば、私学経営はさらに厳しくなり、保護者負担のさらなる増額が懸念され、公立・私立間の保護者負担格差はさらに広がり、経済的に私学に入れない児童生徒等が増加し、ひいては私学振興に大きな影響を及ぼしかねない」と強い危惧(きぐ)を表明した。また同じく主催者の山ア勲・福島県私学団体総連合会長は、「本県の私学は建学の精神の下、懸命に自助努力をしながら、私学としての独自性・自主性を出した良い教育に取り組み、勉強にスポーツに実績を積み上げている。保護者負担軽減のために私学助成をお願いしたい」と佐藤雄平同県知事や県議会議員らに訴えた。
 同県の私立幼稚園に対する公的助成(運営費)を園児一人当たりでみると、公立幼稚園との格差は依然大きい。そこで教育費等公私間格差是正などを盛り込んだ要望事項の説明が行われた。
 こうした私学関係者の声に対して来賓の佐藤知事は、同県私学が独自の建学の精神に基づき、個性豊かな教育を通して教育の振興に大きく貢献し、地域社会から高い評価と信頼を得ていることに対して、深い敬意を表するにとどまった。
 大会では、「学校法人立幼稚園に対する補助金の充実並びに支援策としての私立幼稚園に在籍する第二子以下に対し保育料を無償化にする補助金の新設」「学校法人立専修学校運営費補助金の充実並びに学校法人立以外の専修学校に対する助成の充実及び各種学校の振興」「私立小・中・高等学校に対する運営費補助金の充実並びに公私立高等学校の生徒募集定員比率の遵守」――の三項目を決議した。
 福島県の来年度予算案は二月上旬にも公表される予定だが、全庁的に厳しいマイナスシーリング枠がかぶせられており、県単独事業に関しては、前年度比三〇%のマイナスシーリングで、経常費補助金についても同様の厳しい状況だが、教育庁の公立学校予算とのバランスなども考慮される見通しだ。私立高校授業料軽減事業補助金などに関しては、現在、国会で審議が始まった国の平成二十年度第二次補正予算案に盛り込まれた「地域活性化・生活対策臨時交付金」の対象となる見通しで、同県でもその対応などを現在検討中。
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