文部科学省の平成二十一年度私学助成関係予算案の詳細がこのほど明らかになった（昨年十二月二十三日号で一部既報)。
　それによると前年度比〇・九五％（三十億八千六百万円）減の三千二百十七億八千二百万円となった「私立大学等経常費補助金」の内訳は、一般補助が二千百十五億六千八百万円（前年度比二十億二千九百万円減）、特別補助が一千百二億一千四百万円（同十億五千七百万円減)。このうち特別補助では各大学等の特色を活かせるきめ細かな支援として、質保証、地域活性化貢献支援、国際化推進のメニューが新設された。前年度比同額の一千三十八億五千万円となった「私立高等学校等経常費助成費等補助金」のうち九百二十億三千九百万円の一般補助では、高校（全日制・定時制）の生徒一人あたり単価は前年度比〇・八％増の五万二千七百四十三円、中学校は四万五千七百七十二円（同〇・一％増）、小学校は四万四千百十六円（同）、幼稚園は二万二千五百八十七円（同〇・八％増）。一般補助の特別分では財務状況の改善支援などを進める。また特別補助の教育改革推進特別経費では、教育振興基本計画等を踏まえた特色ある教育を行う学校に助成をする都道府県に国庫補助する。
　具体的には、伝統・文化等に関する教育、食育・キャリア教育・体験活動の推進や、教育相談体制・子どもに向き合う環境の整備、教育の国際化を促進する。
　施設関係では、「私立大学・大学院等教育研究装置施設整備費補助金」は前年度比一二・二％減の九十二億六千七百万円だが、その中ではエコキャンパス推進事業（予算額一億五千万円）を創設する。「私立高等学校等施設高機能化整備費補助金」は前年度比一・九％減の二十億三千八百万円の予算額だが、この中では高校等の高機能化（バリアフリー化等）、防災機能強化（耐震改修工事等）、エコキャンパス化を進める。特に耐震改修事業では地震で倒壊の危険性が高いＩｓ値〇・三未満の施設に関しては補助率を三分の一から二分の一に引き上げる。耐震改修事業の予算額は十四億七千九百万円。
　設備関係では、「私立大学等研究設備等整備費補助金」は前年度比一・四％減の五十一億九千五百万円だが、その中では従来の情報処理関係設備に代わって教育基盤設備に対する補助を創設した。予算額は十三億九千八百万円。「私立高等学校等ＩＴ教育設備整備推進事業」は前年度同額の十億円。このほか「私立学校施設高度化推進事業費補助金」も前年度同額の十一億七千七百十一万八千円。
　この中では平成二十一・二十二年度に私学事業団から融資を受ける老朽校舎等の建替え整備事業は、学校法人の負担率を二十年度に比べ〇・五ポイント優遇する。