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記事2009年1月23日 2124号 (2面) 
中教審教職調整額見直し等作業部会
教員の業務負担軽減で
事務職員等による支援策聴取
 中央教育審議会初等中等教育分科会の学校・教職員の在り方及び教職調整額の見直し等に関する作業部会(小川正人主査=放送大学教授)は一月十五日、都内で五回目となる会合を開き、検討事項の二番目に当たる「教職員の職務の在り方」に関して委員の金井洋子・新潟市立二葉中学校主査、田村幸久・横浜市教育委員会教育長、若井田正文・東京都世田谷区教育委員会教育長の三人から教育現場での学校の業務改善の取り組みについて聴取した。このうち金井氏は学校情報管理、学校財務(施設管理も含め)の統括、地域・行政の連結などを事務職員が担う取り組みを報告、学校事務の共同実施から教育のネットワークづくりと学校支援組織の連携と、給食費など各種の預り金システムの構築を現在進めており、秋には稼働する予定などを報告した。田村氏は横浜市教委の授業改善支援センターによる教員支援の取り組みと効果について報告した。団塊世代の大量退職に伴って教員の若返りが進行、そのため同センターを通じて教育情報の提供、授業づくり、学級づくり相談、授業づくり講座などを実施したことで、教員に時間的、精神的ゆとりが生まれたことなどを説明。若井田氏は部活動を支援するため、学校長が必要に応じて教委に、監督、部活動指導員、大学生、緊急派遣指導員、顧問サポーターの派遣を要請できるようにしたこと、スクールカウンセラーについては小学校で週に二日程度、中学校で週に一日程度派遣していることを説明した。部活動の監督は時給千円、部活動指導員は時給八百円の契約。
 その後、委員による討議では、業務改善については教員の意識改革の重要性を指摘する意見や、システムの変更が意識の変化をもたらすとの意見などが聞かれたが、教員とそのほかの職種の人がチームとして学校にかかわっていくことの重要性を確認した。このほか地域の人材を活用するに当たってはコーディネーターの存在が大切で、教育委員会のサポート体制も欠かせないこと、退職教員の中にはボランティアで学校を支援する意欲のある人が多くその組織化の必要性も指摘された。このほか「教員の精神疾患が増えている。教員を増やしてほしい」「人を増やしてもザルに水。金や人をかけなくてもできることはある」「知事部局との連携が重要」などの意見が聞かれた。この日示された「増大する学校業務に対応ための具体的な方策について(案)」に特に異論はなかった。次回は教職員の勤務、時間管理の在り方を議論する。
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