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記事2008年8月3日 2106号 (1面) 
私立大学志願者増も合格者減少
私学事業団「入学志願動向」を公表
推薦で入学46%
短大は歩留率わずかに改善
 日本私立学校振興・共済事業団は、七月三十日、「平成二十年度私立大学・短期大学等入学志願動向」を公表した。全国の大学、短期大学、大学院の平成二十年度の学生募集状況を集計分析したもの。大学については入学定員、志願者数、受験者数とも前年度を上回っていたが、合格者数は前年度から二・〇%減少していた。一方、短大は入学定員、志願者数、受験者数、合格者数、入学者数とも前年度を下回っていたが、合格者中の入学者の割合を表す歩留率は僅かな上昇を見せた。

 調査対象としたのは、今年五月一日現在の大学、短期大学、大学院全校のうち、通信教育学部のみの学校、株式会社立学校、募集停止校を除いた大学五百六十五校、短大三百六十校、大学院四百三十九校。
 【大学】五百六十五大学の二十年度の入学定員は前年度比約三千五百人増の四十四万八千五百八十人。入学定員が増えたこともあり、前年度に比べ志願者数が約三万九千人、受験者数は約三万三千人増えた。しかし合格者数は約二万一千人減少、入学者数も約七千人減った。入学者数に対する志願者数を示す志願倍率(二十年度は六・八三倍)は、ここ二、三年、上昇傾向だが、約二十年前の平成元年度(一一・九四倍)以降、低落傾向を続けている。合格率(受験者中の合格者の割合、二十年度は三五・九二%)は元年度の一九・一六%から上昇傾向をたどっており、大学が多様な学力の学生を受け入れている実態を裏付けている。
 合格者中推薦入学で入った学生の割合は平成に入ってから最高の四五・八五%となっている。
 入学定員充足率が一〇〇%未満の大学は全体の四七・一%で前年度の三九・七%から七・四ポイント増えていた。
 【短大】三百六十校をみると前年度に比べ、入学定員は約四千八百人、志願者数は約一万六千人、受験者数は約一万六千人、合格者数は約一万人、入学者数は約七千人それぞれ減少していた。
 平成元年度に四三・三〇%だった合格率は二十年度に初めて八〇%の大台(八一・六〇%)に乗った。推薦入学の割合も平成に入って過去最高の七三・四〇%。そんな中にあって歩留率はここ三年上昇傾向を見せている。入学定員充足率一〇〇%未満の学校は前年度から五・三ポイント増え六七・五%となった。
 【大学院】どの課程でも入学定員は増加しているが、志願者数は低下傾向。そのため合格率は上昇傾向。修士課程(博士前期課程)、専門職学位課程の分野別志願倍率では「法学」が五・〇九倍と群を抜いて高く(全分野の平均は一・八一倍)、合格率も最も低い三四・二五%(平均は六〇・八五%)だった。
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