こちらから紙面PDFをご覧いただけます。



全私学新聞

TOP >> バックナンバー一覧 >> 2008年8月13日号二ュース >> VIEW

記事2008年8月13日 2107号 (1面) 
全私学連合21年度私学関係政府予算・税制改正要望
高等教育への公的投資GDP比1%に
私立学校施設の耐震化への支援も

 日本私立大学団体連合会や日本私立中学高等学校連合会など私学五団体で構成している全私学連合(安西祐一郎代表=慶應義塾長)は、八月五日、東京・虎ノ門の文部科学省に鈴木恒夫大臣らを訪ね、同省の平成二十一年度政府予算概算要求に向け、私学団体としての予算要望と税制改正要望を提出した。同省の来年度予算概算要求と税制改正要望は八月末に財務省に提出される。
 この日は、安西代表のほか、私大団体連の大沼淳副会長(文化女子大学理事長・学長)、日私中高連の吉田晋会長(富士見丘中学高校理事長・校長)、日本私立小学校連合会の石橋恵二副会長(武蔵野東小学校長)、全日本私立幼稚園連合会の吉田敬岳会長(自由ヶ丘幼稚園理事長・園長)らが出席。先月に教育振興基本計画が閣議で決まったものの、私学助成を取り巻く環境は依然厳しいことから、私学団体代表らは真剣な面持ちで、私立学校の教育・研究振興の重要性や、国公私立学校間で公的支援に大きな格差が生じている点などを説明し、早急な是正等を鈴木文科相に要請した。
 来年度予算に向けた要望では、大学関係では高等教育に対する公的投資を国際水準であるGDP(国内総生産)比一%、約五・五兆円(現状と比べ約三兆円の増額)にまで飛躍的に拡大、私立大学等経常費補助金については現状の約三倍の約九千億円にまで増やすことを求めている。また学部教育においては、私学助成を大学の「質の指標」に即した配分へ大胆にシフトするなど、現在のあり方を見直す必要があり、地域の振興と活性化のため、私立大学と国公立大学との再編・連携も含め高レベルの教育を実践できる体制の構築に向けた支援を図るべきだなどとしている。
 中学・高校に関しては、約五・六倍(高校の場合)にも及ぶ保護者の教育費負担の公私立学校間格差の是正や生徒等の就学環境改善のため、都道府県が実施する私学助成事業の財源の柱となる私立高等学校等経常費助成費等補助金の一層の拡充を図るよう求めている。
 また私立高校等施設の耐震化への支援や私立高校授業料等軽減補助事業に対する国の補助制度の創設等も要望している。
 幼稚園関係では、すべての子供たちが等しく良質な教育を受けられる機会が保障されるよう、すべての三歳から五歳児に等しい公的助成が行われ、幼保公私間の格差是正実現を強く要請している。
 このほか日本私立学校振興・共済事業団に関しては所要の財政融資資金の確保や政府出資金の充実等を、財団法人私学研修福祉会に関しては、私立学校教職員の資質向上を目的とする、研修事業継続のための安定的な財政基盤の強化・支援方策が講ぜられるよう強く要望している。

記事の著作権はすべて一般社団法人全私学新聞に帰属します。
無断での記事の転載、転用を禁じます。
一般社団法人全私学新聞 〒102-0074 東京都千代田区九段南 2-4-9 第三早川屋ビル4階/TEL 03-3265-7551
Copyright(C) 一般社団法人全私学新聞