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記事2008年8月13日 2107号 (1面) 
大学等への現役進学率 過去最高の52.8%
文科省が学校基本調査速報
高大とも就職率上昇
特別支援学校生徒等数が過去最高
文部科学省は八月七日、平成二十年度学校基本調査速報を公表した。出生率の低下から小学校、中学校、高校の児童・生徒数は依然として減少傾向を続けており、小学校の児童数は昭和五十七年から二十七年連続の減少で過去最低の七百十二万二千人となった。中学校生徒数も過去最低の三百五十九万二千人。高校は前年度比約四万人の減少。そうした厳しい学校経営環境の中で私立学校は健闘を続けており、前年度に比べ、私立小学校は学校数で六校、児童数で約二千百人増加、私立中学校は同じく学校数で六校、生徒数で約三千三百人増加した。私立高校の生徒数は減少したものの、私立高校の高校全体に占めるシェアからすると、減少の波は公立高校により大きく押し寄せている。前年度に比べ公立高校が七十校減ったのに対して、私立高校は一校の減少だ。このほか該当年齢層が減少している中にあって、特別支援学校の幼児・児童・生徒数は十一年連続で増加しており、今年度は過去最高の約十一万二千人となった。

 学校種ごとに概況をみると――。
 ▽幼稚園=幼稚園の園数は前年度に比べ九十七園減少した。幼稚園の約六割は私立だが、公立は八十一園減、私立は十六園減にとどまった。
 私立幼稚園数は八千二百七十六園で、園児数は約一万八千人減ったものの、約百三十五万人を擁している。公立の園児数は約三十二万人。
 ▽小学校=公立小学校数は前年度から二百二十三校減って二万二千百九十七校に。ここ十年で約一千九百近い学校がなくなった減少ペースだ。私立小学校数は二百六校。ここ十年で三十五校増加している。公立小学校の減少は深刻だが、本務教員数は七百七十四人増えている。私立は二百十三人の増加。わずか七十三校の国立小学校は増減がないが、教員は七十九人の増加。
 ▽中学校=中学校の学校数は一万九百十五校、そのうち一万百四校の公立中学校は、前年度比四十六校の減少。生徒数では約二万五千人の減少。
 私立は増加傾向を維持しているが、それでも私立中学校の全体に占めるシェアは学校数で六・七%、生徒数で七・二%と小さい。今年春の中学校卒業者は約百二十万人だったが、高校等に進学した人の割合は過去最高の九七・八%となった。
 そのほかは就職(〇・七%)や専修学校高等課程への進学等。
 ▽高等学校=高校の学校数は五千二百四十二校。平成十年度と比べると私立は五校の増加、公立は二百五十四校の減少。今春の高校卒業者は約百八万八千人で一年前と比べ約五万九千人の減少。このうち大学等に進学した者(中等教育学校後期課程卒業者を除く)は前年比一・六ポイント増の五二・八%だった。これは過去最高。
 専修学校専門課程進学者は一・五ポイント減の一五・三%、就職率は〇・五ポイント増の一九・〇%などという状況。
 ▽中等教育学校=学校数は三十七校で、生徒数は前期課程が約一万一千人、後期課程が約七千人。うち私立は十三校。
 ▽特別支援学校=学校数は一千二十六校、うち私立は十五校。全体では前年度比十三校の増加。
 ▽高等専門学校=学校数は六十四校、うち五十五校が国立で、私立はわずか三校。学生数は、国立が増加傾向、私立は減少傾向だ。
 ▽短期大学=学校数は四百十七校、公私立とも学校数が減少、私立は三百八十六校に。私立の学生数は約十六万人。
 ▽大学=学校数は、国立が統廃合で減少傾向、公・私立は増加傾向。大学学部への入学志願率は過去最高の五三・五%。
 ▽専修学校=生徒数が過去最高だった平成四年(八十六万二千人)をピークに減少傾向で、二十年度の生徒数は約六十六万人。国立専修学校の廃止はここ十年で百三十三校にも上る。
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