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記事2008年7月13日 2104号 (1面) 
公立高校一人当たり教育費117万円
文部科学省 地方教育費調査結果等を公表
高校は依然増加傾向
市町村教委で指導主事急増

文部科学省は七月十日、「地方教育費調査結果」等を公表した。地方公共団体が公立の学校教育のために支出した教育費は前年度比〇・九%減の十三兆八千二百五十四億円で、五年連続の減少。生徒一人当たり学校教育費は中学校が二十年ぶりに減少に転じたが、高校は増額傾向が続いている。

 平成十八年度中に学校教育、社会教育、生涯学習関連、教育行政に係る経費のために地方公共団体から支出された経費(地方教育費)の総額は、十六兆六千六百四十八億円で、前年度に比べ三千二百九十九億円減少していた。十年連続の減少。うち八三%が学校教育費(債務償還費を除いて)で、教育委員会経費の教育行政費は地方教育費全体の五・九%九千七百八十三億円となっている。
 公立学校の児童生徒等一人当たりに支出された学校教育費は左表の通り。
 学校教育費の内訳は、教員給与、事務職員給与、教育活動費、管理費などの消費的支出が全体の八四%を占め、土地費、建物費などの資本的支出八・八%、債務償還費が七・一%となっている。
 学校種別に学校教育費をみると、小学校は約八十九万円、中学校は約百三万円で、高校(全日制)は約百十七万円、同(定時制)は約百七十五万円、高等専門学校は約二百十五万円。いずれも就学人口の減少から、学校教育費額は減額傾向だが、高校については増額傾向。公立高校(全日制)のここ十年の変化を見ると、平成九年に約二百九十五万人を数えた在学者数は平成十八年には約二百三十四万人に減少。それに伴い学校教育費の総額も三兆二千四百八十四億円から二兆七千三百二十九億円に減少している。単純比較はできないだろうが、生徒数が二一%減少する中で、学校教育費の総額は一六%減少していた。しかし生徒一人当たりの学校教育費では六%の増加となっている。
 中等教育学校に関しては、生徒一人当たりの学校教育費は十七年の約三百五十万円から十八年度には約百十九万円に激減した。
 文部科学省調査企画課の説明によると、公立中等教育学校は学校数や生徒数が少ないことから、ある学校で校舎を建てたりすると大きな変動となって現れるという。また債務償還費も変動要因となる。ただし中等教育学校の学校教育費は十六年度は約二百万円、十五年度は三百二十万円といった推移。公立高校生(全日制)の授業料収入は約二千六百五十三億円。
 地方教育費調査結果とともに、「教育行政調査」の結果(平成十九年五月一日現在)も公表されている。それによると、市町村教育委員会の指導主事数(充て指導主事を含む)は二年前の前回調査時より八・四%増え、五千三百四十五人を数え、配置率は過去最高の五二・九%となった。
 市町村教育委員会の指導主事(同)の配置率は平成九年度の三一・〇%から十九年度の五二・九%まで、とりわけ平成十五年度以降は急激に上昇しているのが特徴。
 一方、都道府県教育委員会の指導主事(同)数は、前回時に比べ三・三%減の四千四百七十七人だった。
 都道府県教委の指導主事に関しては、指導主事が増加する一方、充て指導主事は減少していた。都道府県教委の指導主事(同)数を都道府県ごとにみると、千葉県が全国で最も多く、指導主事百十九人、充て指導主事八十七人を数えている。

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