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記事2008年7月13日 2104号 (5面) 
新校長インタビュー (162) ―― 啓明学園中学・高等学校
校長 佐々 信行氏
帰国生の現地体験を最大限生かす
自分で考えることを重視
 啓明学園(東京都昭島市)の、児童・生徒の通学門である数奇屋門をくぐると、約十万平方メートルの広大な敷地に初等学校、中学・高等学校などの校舎がある。近代的な教育施設と伝統ある文化施設、そして豊かな自然が調和した環境は、同学園の大きな魅力だ。
 佐々信行氏は、同学園初等学校の校長を七年間務めた後、中学・高等学校長に就任した。
 「初等学校と中学・高校と連続性を一層持たせるという考え」に基づいて、初等学校から中学・高校の校長になった。
 同学園は帰国生のための学校として一九四〇年創立された。帰国生が現地で受けた教育や体験を最大限に生かす教育方針は、創立以来変わらず最大の特色となっている。帰国生教育のパイオニア校といっていい。現在、帰国生の割合は中学が三八%、高校が四三%を占めている。帰国生は、一般生と同じホームルームに入るが、国際学級での個別指導を受けることができる。英語のほかに、中国語、韓国語、フランス語、ドイツ語、スペイン語のクラスもある。帰国生の存在は、一般の生徒に対してもいい影響を及ぼし、お互いに刺激を受けながら成長している。
 帰国生・外国籍児童生徒などの教育や、国際交流を総合的・効率的に運営している国際教育センターでは、帰国生の学習や生活の支援、カウンセリングを行っている。
 佐々校長は、(1)どの教科でも事実を基に考える、(2)情報を自分で集め考える、(3)人の話を聞いて自分の考えを述べる(コミュニケーション力)――ことを、基礎・基本の力をつけるための要素としてあげた。生徒が自分で考えることを重視する方針は、生徒が自分の目指すところは何か、何をしたいのか、をしっかり考えさせる進路指導にも表れている。
 「今は体力、耐える力、地域と家庭との連携力が落ちてきているといわれています。本学園は、いつの時代にも、子供が付けなければならない力はしっかり付けてきたと思います。これからも同じ考えですが、時代に合わせて、本学園の特徴が一層発揮できるように考えていきたいです」
 佐々校長は「啓明らしさ」に磨きをかけ、楽しく、充実した学びの場をつくっていく方針だ。
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