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記事2008年6月23日 2102号 (2面) 
中央教育審議会の審議動向
文部科学省
教育振興計画案を説明
関係省庁となお折衝中私学助成は「充実」との記述に
【大学分科会制度・教育部会】
 中央教育審議会大学分科会の制度・教育部会(部会長=郷通子・お茶の水女子大学長)は、六月十二日に東京・霞が関の文部科学省内で会合を開催し、「学士課程教育の構築に向けて(答申)」の案文について検討した。これは先に部会としてまとめた「審議のまとめ」をもとに、審議会答申とするために字句その他体裁の変更、数値等各種データの現行化、先に実施した関係団体からの意見聴取内容などを盛り込んだもので、教育振興基本計画についても策定作業の進行に従い、その状況を盛り込むこととしている。
 この日の会合では、答申案の検討に加えて、文部科学省が五月二十三日に作成し、関係省庁に示して折衝中の教育振興基本計画案について説明があった。
 中教審が四月十八日に答申した教育振興基本計画について〜「教育立国」の実現に向けて〜≠ナ示した構成と大差はないが、内容については主として次のような加筆が行われている。
 第二章「今後十年間を通じて目指すべき教育の姿」において、教育は最優先の政策課題であり、教育への公財政支出を、今後十年間を通じてOECD諸国平均の五・〇%を上回る水準を目指す必要があるとし、公財政支出の拡充が強調された。また、第三章の「今後五年間に総合的かつ計画的に取り組むべき施策」においては、私学助成の推進としていた記述を私学助成の充実と改め、私学の各学校種ごとの施策を追加した。
 郷部会長からは、二月八日に四人の委員による提言書を提出したが、今回の文部科学省の案はそれと軌を一にするものであるとして、文部科学省の動きを支援するため、四人で相談して「教育亡国」回避のために投資の断行を―教育振興基本計画の策定に向けた緊急声明―≠ニ題する声明を作成したことが披露された。この声明では、高等教育の質の向上・転換のためにこそ投資が必要である、高等教育のグローバル化は焦眉の課題である、教育の機会均等は揺らぎつつあり、経済的支援を飛躍的に強化し修学機会を保障することが不可欠である、の三点が柱となっている。
 これを受けて荻上紘一副部会長をはじめとする数人の委員から部会としても声明を支援していきたいとの意見が出され、そのように扱うこととなった。
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