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記事2008年4月13日 2096号 (2面) 
中央教育審議会の審議動向
日本語学校の位置付けなど協議
大学の留学生約4割が入学前に日本語教育機関に
【大学分科会留学生特別委員会】
 中央教育審議会大学分科会の留学生特別委員会(座長=木村孟・大学評価・学位授与機構長)の第三回の会議が、三月三十一日、東京・霞ヶ関の文部科学省で開催され、「今後の留学生交流の在り方について」を議題に意見が述べられた。
 最初に文部科学省から、前回出された意見をとりまとめた「『留学生三十万人計画』の骨子 取りまとめの検討事項(案)」が提出されたほか、資料として「在学段階別/入進学直前機関別留学生数」「平成十七年度私費外国人留学生生活実態調査概要」「活躍する元日本留学生の例」が添付された。
 資料「在学段階別/入進学直前機関別留学生数」から、留学生全体の三一・七%が日本語教育機関を利用しており、大学だけを見ると大学に在籍している留学生の三六・九%が入学前に日本語教育機関に在籍していることが明らかになった。また「平成十七年度私費外国人留学生生活実態調査概要」から、日本を留学先として選んだ理由の一位は「日本語・日本文化を勉強したかったため」(四九・九%)であった(いずれも日本学生支援機構調べ)。
 こうしたことから、委員からは、海外から見て日本語学校の位置づけが不明だ、位置づけを明確にする必要がある、との要望があった。これに対しては、例えばJAST(日本語能力検定)のパートナーであることを明記して、協定を結んでプログラムを作って支援することはできないか、といった提案があった。
 このほか、次のような意見が委員から挙がった。ブリティッシュ・カウンシルのように、日本も対応部署を統一して進める必要がある、日本で生活しやすいよう日本語・文化が学べる制度が必要だ、留学生に対するビザの在り方を検討していただきたい、インターネットを使ってPRできないか、中国が世界に展開している孔子学院のようなものは作れないか、GPのようなものはできないか、海外大学との単位互換はできないか、など。
 文部科学省は現在対策の一つとして、これまで別々に実施していた日本留学試験と国費留学試験を、国費留学試験を日本留学試験に併せて実施することを検討している、と述べた。
 さらに厳しい課題として挙げられた意見は、日本で就職を望む留学生を日本の社会は受け入れることができるのか、優秀な理工系の留学生を呼びたいというが、日本では今ポスドク問題が起きている、そのうえ、卒業した留学生に働く場所を提供できるのか、など。
 留学生にとって日本留学で何が課題なのかは本人に聞くのがいい、アドバイザリー的に留学生の意見を聞いてはどうか、などの提案もあった。
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