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記事2008年3月23日 号 (1面) 
文部科学省 「教育指標の国際比較」公表
教育への公財政支出依然低水準
私費負担に大きく依存
 文部科学省はこのほど、『教育指標の国際比較』を公表した。経済開発協力機構(OECD)の『図表で見る教育二〇〇七年版』等を用いて主要国の教育の普及や教育諸条件等をまとめたもの。それによると、国内総生産に対する学校教育費の比率では、高等教育の場合、OECD加盟国中、我が国の公財政支出の割合は韓国と並び〇・五%で最低だった。米国は一・〇%、英国は〇・八%など。

 国内総生産に対する学校教育費の比率をみると、「初等・中等・高等教育以外の中等後教育」(※我が国では小・中・高校・中等教育学校・専修学校高等課程・盲・ろう・養護学校)でも、我が国の公財政支出の割合は二・七%で、ギリシァの二・一%、スロバキア共和国の二・六%に次いで、下から三番目の低い水準。私費負担分(※授業料等の家計負担分および寄付金等の民間機関による教育費で、私立学校における事業収入など独自の財源による教育費を含む)を加えても国内総生産に対する学校教育費の比率は二・九%でギリシャに次ぎ二番目に低い水準。高等教育(※大学・短大・高専・専修学校専門課程)では、私費負担がオーストラリアと並んで三番目に高い水準のため、公財政支出と私費負担を加えた合計では一・三%となり、OECD各国平均の一・四%に近い水準となっているが、私費負担に大きく依存している実態が分かる。
 また一般政府総支出に対する公財政支出学校教育費の比率をみると、二〇〇四年の高等教育段階では一・八%。OECD各国平均の三・一%を大きく下回り、OECD加盟国中下から二番目となっており、全教育段階でも下から三番目の水準だ。
 一方、私立学校の割合をみると(各国の統計資料を参考にしているため国によって対象年度が異なる)、就学前教育では、我が国が六四・七%、米国は三四・二%、英国は六・七%、フランスは一二・四%、ドイツが一一・二%、韓国が七七・八%。
 初等中等教育ではフランスが最も高く一八・一%、次いで韓国の一六・六%、米国の一一・二%、我が国の九・五%といった順。高等教育で私立学校の比率が七割、八割に達するのはわが国と韓国。ただし高等教育在学者の人口千人当たりの人数をみると――。
 我が国では二〇〇七年の場合、大学・短大等在学者は二三・四人、聴講生、研究生、通信制大学の学生、専門学校生を加えても三〇・四人。それに対して米国では二〇〇四年で、フルタイム在学者で三六・一人にもなり、パートタイム在学者を加えると五八・八人となる。 
 英国では二〇〇五年で、フルタイム在学者が二四・九人、パートタイム在学者を加えると四二・二人。フランスでは三六・六人(二〇〇五年)、ドイツは二四・一人(同)、ロシアではパートタイム在学者を加え五〇・二人(同)。韓国では大学・専門大学等在学者で六六・〇人、放送・通信大学在学者を加えると七三・一人にもなる(二〇〇六年)。大学院学生数でも先進主要国は我が国の水準を大きく上回っている。
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