こちらから紙面PDFをご覧いただけます。



全私学新聞

TOP >> バックナンバー一覧 >> 2008年3月23日号二ュース >> VIEW

記事2008年3月23日 号 (2面) 
高大接続テストの実施など「審議のまとめ」了承
中教審大学分科会制度・教育部会等
活用は高校、大学の任意≠Q5日、大学分科会に提出
 中央教育審議会大学分科会の制度・教育部会(部会長=郷通子・お茶の水女子大学長)及び学士課程教育の在り方に関する小委員会(主査=黒田壽二・金沢工業大学学園長)の合同委員懇談会が、三月十三日、東京・一ツ橋の学術総合センターで開催された。
 今回が学士課程教育の在り方に関する小委員会としては最後の会合。
 この日は「審議のまとめ」(案)として「学士課程教育の再構築に向けて」が事務局(文部科学省)から提示された。「審議のまとめ」(案)の骨子は、基本的な考え方として「『知識基盤社会』における大学教育の量的拡大(ユニバーサル段階)を積極的に受け止めつつ、社会からの信頼に応え、国際通用性を備えた学士課程教育の構築を目指す」とし、各大学に対しては(1)学位授与(2)教育課程編成・実施(3)入学者受け入れ、の三つの方針に貫かれた教学経営、PDCAサイクルの確立を要請。国による支援等としては、(1)学位の水準の維持・向上に向けた取り組みづくり(2)教育内容・方法等の優れた実践を行う大学への重点的支援(3)高校との接続の改善(4)教職員の職能開発の推進(5)質保証システムの整備・確立(5)その他(大学に対する寄附の税制上の優遇等)が提言されている。
 論議を呼んだ「高大接続テスト」(仮称)についても文部科学省から再度説明が行われた。同テストは、あくまで推薦入試やAO入試の際に学力を把握するための一つの方策であり、活用は各高校・大学の任意であること、また大学進学希望者にとっても有益なものとすること、さらには学習指導要領の改善の趣旨を生かすものであること、などである。
 郷部会長からも、高大接続テスト(仮称)については高校側も招いてワーキンググループで相当議論した、大学の質保証がいわれるなか高大接続を遅滞なく進めることが大切だ、などと補足意見が述べられた。
 提示された「審議のまとめ」(仮称)に対しては、委員からは、おおむね賛同するとしながら、大学における生涯教育についてもう少し記述してほしい、企業との連携の記述が少ないのではないか、などの意見が出た。
 このほか、大学等へ進学しない人や高校中退者も含めて、学校体系に乗り切れない人たちをどうするかを考えないといけないとの意見も出た。
 黒田主査は、日本の教育体系をどうするかについては根本的に議論しないといけない、文部科学省にはその機会を作ってほしい、などと要望した。
 今後の日程は、「審議のまとめ」(案)を三月二十五日の中教審大学分科会に提出、審議し、その後中間まとめとしたうえで、ヒアリングを行い、夏ごろに「答申」とする予定。
記事の著作権はすべて一般社団法人全私学新聞に帰属します。
無断での記事の転載、転用を禁じます。
一般社団法人全私学新聞 〒102-0074 東京都千代田区九段南 2-4-9 第三早川屋ビル4階/TEL 03-3265-7551
Copyright(C) 一般社団法人全私学新聞