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記事2008年3月13日 号 (1面) 
日私中高連 吉田次期会長が所信表明
都道府県私学協会と連携強化
理事会評議員会合同会議等開く
厳しさ増す情勢に私学の環境整備へ努力
日本私立中学高等学校連合会は三月十一日、東京・市ヶ谷の私学会館で全国理事会・全国評議員会合同会議を開き、平成二十年度事業計画等を決めたほか、それに先立つ全国評議員会で吉田晋副会長(富士見丘中学高校理事長・校長)の会長就任が承認された。吉田次期会長は私立中高校を取り巻く環境は厳しさを増しているとしたうえで、各都道府県私学協会との連携を強め、着実に私学の諸環境の整備に努力していきたいと所信表明した。今秋、同連合会は創立六十周年を迎える。

 吉田次期会長は昨年十二月の全国理事会で選任され、今回の評議員会で選任され、次期会長が確定した。会長の任期は四月一日から二年。
 全国評議員会で所信表明した吉田次期会長は、生徒減少、財政再建による私学助成の抑制、国の私学助成が増額されても都道府県段階で私学助成が減額される状況のほか、昨今の数々の私学バッシング、公立中高一貫教育の全国展開などを挙げ、私立中学高校を取り巻く情勢は厳しさを増していると指摘した。しかし同時に私学の先達は今以上に厳しい状況の中で私立学校の経営・教育を行ってきた。そのため先達たちのDNAを引き継いで私学振興に向け諸環境の整備に努力していきたいと語った。
 国の平成二十年度私学助成(私立高等学校等経常費助成費等補助金)は私学助成抑制基調の中で前年度と同額を確保、地方交付税措置を含めた、いわゆる標準単価は、前年度比、高校(全日制・定時制)で〇・五%増、中学校で〇・六%増となったが、各都道府県での私学助成は地方財政の厳しさから伸び悩み・削減傾向を強めており、前年度比で補助単価が削減となった自治体が続出している。私立小・中学校段階では更に厳しい情勢だ。
 こうしたことから同連合会では各都道府県私学協会がインターネットなどを通じて必要な情報を適宜、引き出せるなどの体制作りに向けて準備を進める意向。また同連合会の研究・研修部門を担う財団法人日本私学教育研究所と連携も更に強化する。私学の生命である独自性が損なわれないよう二十一年度から実施される教員免許更新制でも、私立学校の特性を生かす研修が必要と考え、日私教研が実施主体となって私立学校教員向け更新講習を二十年度に試行、二十一年度から各都道府県私学協会や私立大学と連携し実施していく。また私学団体が表彰した優秀教員についても教員免許更新講習の免除対象となるよう求めていく考え。
 さらにマスコミ対応の検討も進めていく。
 このほか三月中に中学校の新学習指導要領が告示され、来年度に高校の学習指導要領案が公表される予定だが、私立中学高校一貫教育についても教育課程上の特例措置が適用されるよう引き続き求めていくほか、四月から実施の特区研究開発学校制度の全国展開(教育課程編成・実施の特例措置が認められる)の行方も注視していく。また四月施行の、いわゆる改正地教行法の運用等で私学の独自性が失われることがないよう、都道府県の状況を注視していく。
 このほか十一月十一日には東京の私学会館で六十周年記念式典・祝賀会を開催する。
 また同連合会の尾崎輝雄事務局長が三月末をもって勇退、参与となり、後任の事務局長には福島康志事務局次長が昇格することが決まった。
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