こちらから紙面PDFをご覧いただけます。



全私学新聞

TOP >> バックナンバー一覧 >> 2008年3月13日号二ュース >> VIEW

記事2008年3月13日 号 (5面) 
大阪保護連が私学振興大会
進路保障・学校選択の自由
公私間の公費支出格差是正決議
 大阪私立中学校高等学校保護者会連合会(松山省三会長)は二月十八日、大阪府・大阪国際会議場(グランキューブ大阪)で、私学へ子供を通わせている保護者、大阪府議会私学振興議員連盟ら約三千人が参加して、「教育は私学から、私学はひとつ」などを大会スローガンに「第二十七回大阪私学振興大会」(協賛=大阪私立中学校高等学校連合会)を開催した。
 主催者として、松山会長はあいさつの中で、公立と私立との不公平な税の配分のために私学への進学を断念している保護者の現状を指摘した上で、「義務教育ではない高校に、公立と私立への公費の配分が高校生一人当たり四十六万円もの差があってよいのか。公私間の公費支出の格差をなくし、だれもが自由に進路を選択でき、私学に通う子供たちと保護者から笑顔がなくならないようにお願いしたい」と訴えた。
 協賛者として野田賢治会長(浪商学園理事長)は、「大阪中高連は保護連とともに、公費支出の公平化を要望している。橋下徹知事が欠席されたことは誠に残念だ。副知事をはじめ、議会・行政の皆さまには、この保護者の熱い思いをぜひ知事に届けてくださいますようこころから念願する」と述べた。
 橋下知事の代理として出席した、来賓の三輪和夫・大阪府副知事は「子供も大人も笑う大阪の実現を目指す。子供の笑顔は社会を元気にする源である。子供たちの笑顔を守るためにも、子供が安心して学べる環境を整える子育てシステムをつくっていきたいと思っている。公立と私立の学校が協調と競争の中で発展させてきた大阪の歴史を踏まえ、保護者の皆さまの教育にかける熱い思いを大切に、大阪の教育は日本一だといわれるよう、全力で取り組んでいきたいと思っている」と代読した。
 岩見星光・大阪府議会議長は、大阪の私学は公教育の一翼を担いながら、建学の精神に基づく教育活動を通じて、多くの優れた人材を育成していると評価し、「昨年九月の定例府議会で、私学助成の充実に関する意見書を採択し、その対策を国に求めた。今後も、私立学校がよりよい教育を行えるよう全力を挙げて取り組んでいく」とあいさつした。
 横倉廉幸・大阪府議会私学振興議員連盟会長は、公私間格差是正が同連盟に課された課題とし、「昨今の公立学校の私学化は、公私間格差の是正とも考えられる。それならば、保護者の教育費負担の公私間格差是正も行っていかなければならないと強く感じている」と意欲を示した。
 また、稲田昌広・日本私立小学校中学校高等学校保護者会連合会長は「公私間における学費の格差は全国で四〜六倍だ。子供たちは学びたい学校を選べない。学校選択の自由がない。教育立国の日本では、このような状況を一日も早く改善する必要がある。公立の中高一貫教育校には設置義務がなく、公立学校内での格差を生んでいる。日本の将来を担う子供たちにとって、このような状況でよいのか。子供たちのために公私間格差是正を切に願っている」とあいさつした。
 大会では「1.中卒生の進路保障・学校選択の自由を期し、一刻も早く公費支出の公平化を実現してください」「2.公立の中高一貫教育校前期と私立中学校は、その機能が全く類似しています。大阪府におかれましては、この問題に関する十二分の協議・調整を強く要望します」―の二点を決議した。エキシビションでは、清教学園、大阪薫英女学院、樟蔭、聖母女学院の保護者によるコーラスが披露された。
記事の著作権はすべて一般社団法人全私学新聞に帰属します。
無断での記事の転載、転用を禁じます。
一般社団法人全私学新聞 〒102-0074 東京都千代田区九段南 2-4-9 第三早川屋ビル4階/TEL 03-3265-7551
Copyright(C) 一般社団法人全私学新聞