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記事2008年2月3日 2089号 (1面) 
教育再生会議の後継組織発足へ
福田総理が内閣に設置明言
提言の実現注視
残された課題の検討も
 教育再生会議(野依良治座長=独立行政法人理化学研究所理事長)は、一月三十一日、総理官邸で総会を開き、最終報告「社会総がかりで教育再生を〜教育再生の実効性の担保のために」を取りまとめ、福田康夫総理に手渡した。これまでの三次にわたる提言の実現を含め教育再生が現実のものとなるよう国等の実施状況を評価し、実効性を担保するための新会議の設置を求めているのが特徴。報告を受けた福田総理は提言の実現とフォローアップに取り組むため、内閣に新しい会議を設置して引き続き教育再生に真摯に取り組む考えを明らかにした。

 一月三十一日にまとめられた「最終報告」は全体でわずか七ページ。
 一年四カ月の間に発表された三つの報告の中で提言した、種々の教育改革策の実現に向け、フォローアップの必要性を強調した内容で、フォローアップしていく必要のある主な項目を列挙している。またフォローアップのためのチェックリストも示しており、「学力の向上」に関しては、ゆとり教育の見直し、学習指導要領の弾力化、小学校の専科教員の配置(理科、算数、体育、芸術等)、英語教育、理科教育の抜本的改革などを挙げている。同時に検討を開始すべき事項としては、六・三・三・四制の弾力化(小中一貫教育校、飛び級の検討、大学への飛び入学の促進などを挙げており、項目ごとに、取り組みが求められている実施主体(国、教育委員会、学校等)を挙げている。
 「大学・大学院の改革」では、直ちに取りかかるべき事項として大学教育の質の保証(卒業認定の厳格化)、国際化を通じた大学・大学院改革(九月入学の大幅促進、英語による授業の大幅増加〈当面は三〇%を目指す〉)などを、検討を開始すべき事項では大学全入時代の大学入試のあり方を挙げている。大学・大学院改革に関しては、国公私立大学の連携により、国公私立を通じた大学院の共同設置や地域における学部教育の共同設置の推進、国立大学法人の教育水準向上のため必要に応じて定員縮減や再編統合を推進すること、国際競争力強化のため、高等教育に対する投資を充実させること、そのためには競争的資金の充実とともに、基盤的経費の取り扱いはしかるべき時期に見直すことが必要としている。
 「教員の質の向上」では、直ちに取りかかるべき事項として、社会人の大量採用(特別免許状、特別非常勤講師により今後五年間で二割以上を目標に)などを、検討を開始すべき事項に関しては教員養成の抜本的な改革、メリハリのある教員給与体系の実現(教職調整額の見直し)を挙げている。このほか検討を開始すべき事項としては、国のスポーツ振興策のあり方(スポーツ庁創設など)、携帯電話のフィルタリング義務付け、幼児教育の充実(幼児教育の無償化)、広域人事の担保と市町村教育委員会への人事権の委譲、子供、若者、家庭に対する教育・福祉・警察・労働・法務等の連携による総合支援を挙げている。
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