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記事2008年2月3日 2089号 (2面) 
都道府県私学助成充実を
文部科学省
私学主管部課長会議開き要請
地方版の教育振興基本計画検討も
 文部科学省は一月二十八日、東京・虎ノ門の同省会議室で平成十九年度第二回都道府県私立学校主管部課長会議を開いた。この会議は都道府県私立学校主管部課の担当者に、平成二十年度私学関係政府予算案や同省の来年度事業等の概要を説明、私立学校の適切な管理運営に向け指導助言の充実を要請するもの。会議の冒頭に挨拶した磯田文雄・同省高等教育局私学部長は、(1)私立学校の役割・適切な運営(2)私学振興施策(3)学習指導要領の見直し(4)教育振興基本計画の策定(5)教育三法の改正(6)幼児期の教育(7)特別支援教育について触れ、このうち私立学校の適切な運営に関しては私立学校が公教育の担い手であることを再認識して教育の充実が図られるよう都道府県による支援の充実を要請。また教育三法の改正では、私立学校主管部局への学校教育に関する専門的知識を有する職員の配置を要請。私学振興施策に関しては、各都道府県予算での私学助成の充実と、都道府県版「教育振興基本計画」の検討を要請した。このほか学習指導要領の改訂に関しては、双方向の説明会を実施するなどして改訂の趣旨の理解促進を図っていくこと、特別支援教育では軽度な発達障害を抱える子どもが全体の六%程度いるといわれていることから、支援体制の充実を要請した。
 続いて杉野剛・私学行政課長は、寄附金税制が四年続けて改正され、私立学校の寄附金募集に追い風が吹いていることを説明。また都道府県私立学校審議会の委員名公開が一部の自治体で進んでいないことを取り上げ、ホームページ等での公開を要請。さらに管理運営の面で株式会社立学校に懸念を持っていること、とりわけ広域制の通信制高校(株式会社立校が多数ある)の実態については来年度は十分に調査する考えを明らかにした。このほか私立学校でのCO2削減の動き、学校債の取り扱いの一部変更などを説明した。
 芦立訓・私学助成課長は、来年度の私学助成が総額で前年度比一%(四十五億円)削減される中で私立高校等に対する経常費助成費補助金は前年度同額を確保し、総務省に対しても必要な財源の確保を要請していることを説明して、地方財政でも在籍者数が減少していることから補助金の単価アップを要請した。また喫緊の課題である校舎等の耐震補強に関しては、十九年度補正予算で私立小学校から高校までについては四億二千八百万円、幼稚園については二億六千七百万円が計上されたこと、二十年度も相談会を開くなどして私立学校の資金需要を把握しながら、必要な予算の確保に努めたい考えを明らかにした。
 北尾善信参事官は、学校法人に対する社会の目が厳しくなっていることなどを挙げて、学校法人が情報公開に積極的に取り組むよう一層の支援を要請、また大学の場合、学校法人運営調査委員制度などを通じて学校法人の実態把握に努めていることを紹介して、私立学校所管部課が学校法人と意見交換するなどして学校法人が抱えている問題の早期発見に努めてほしいと要請した。さらに一部の法人でセクハラや不適切な経理などの問題が生じていることを指摘して、私学全体が不適切な運営をしていると社会から見られないよう経営陣の高い規範意識の必要性を強調した。
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