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記事2008年2月23日 2091号 (1面) 
中教審初中分科会 高大接続テストに批判
センター試験の資格試験化求める意見も
 中央教育審議会の初等中等教育分科会(梶田叡一分科会長=兵庫教育大学長)が二月十九日、都内で開かれ、高大接続と教育振興基本計画について審議した。高大接続に関しては、中教審の大学分科会学士課程教育の在り方に関する小委員会の中の「高等学校と大学との接続に関するワーキンググループ」が先に公表した「議論のまとめ」の概要が座長代理から説明されたが、批判的な意見が相次いだ。
 WGのまとめは、国際的通用性があり社会から信頼される大学の学士課程教育を実現するためには、大学だけでは無理で、企業や学生の送り手である高校の協力が不可欠で、AO・推薦入試の改善、入試や高校の指導改善に幅広く活用できる新しい学力検査(高大接続テスト=仮称)の創設を提案しているが、梶田分科会長から、「(WGが)何をやりたいのか分からない。調査も極めて乱暴。下手をすると初等中等教育に歪みを生じかねない。大学には難関大学もあれば学生が来てくれるだけでいいという大学もあるが、そうした大学はいい加減なことをしている訳ではない」など厳しく批判。中等教育関係委員からも「(高大接続テストの導入で)テストに力を付けるだけの教育に変質する危険性がある」「大学は一定の学力に至っていない学生を落第させるべきだ」「大学の先生方はもう少し入学試験に力を注いでほしい」「大学の入試段階で質保証ができるようにすればいい」など厳しい意見が相次いだ。
 そのほか大学入試センター試験の資格試験化などを求める意見も聞かれた。
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